――ジョン・カーターは、辛い過去の記憶から立ち直り、やがてヒーローとして目覚めていきますが、リンさんにとっての“ヒーロー”とは、どんな存在ですか?

リン:私にとってのヒーローとは、自分の弱さや至らない所をなるべく無くそうと努力して、向上しようとする人。同時に、自分よりもまず他人を優先して、何かその人のためになることを一生懸命しようとする人だと思うわ。現代にはこういうヒーローが求められていると思うの。例えば、ビル・ゲイツやU2のボノ、ビル・クリントンなど慈善活動をよくしている方だったり、私の夫(スティーブン・ストレイト)もそうよ(笑)。

――バルスームを支配しようとするサーン族の教皇マタイ・シャンは色々な人物に姿を変えて暗躍しますが、もしリンさんにも同じ能力があったら、誰に変身して、何をしたいですか?

リン:オプラ・ウィンフリーという、『カラーパープル』(1985年公開)などに出演していた女優なんだけど、今アメリカですごく有名なトーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」の司会者になったの。一大帝国を築き上げて、すごくお金持ちで、色んなマーチャンダイジングをしているけど、慈善活動もすごくしている人なのよ。女性のオピニオン・リーダーの筆頭なので、オプラ・ウィンフリーになって自分の帝国を築き上げたいわ(笑)。彼女はとてもパワフルで、アフリカで学校を作ったり、素晴らしい活動をたくさんしている人よ。

――では最後に、本作はウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品となっていますが、リンさんに夢を与えたディズニー作品を教えて下さい。

リン:私の場合は『リトル・マーメイド』(1989年公開)ね。主人公の人魚姫アリエルは、人間の王子に恋をしてしまうけど、その夢を叶えるには不可能な身体に捕われていて、絶対に幸せになる運命にはないという。当時、私は子供だったけど、その切なさがすごく伝わってきて、そういう感情を初めて映画を観て感じたと言っても過言ではない、想い出深い映画なの。そういう感情を自分の中で消化することによって、他の人にも優しくしてあげられたりさせてくれた映画だわ。


 彼女を育んだテキサス(インディアンの言葉で「友人」を意味)州は、日本国土の倍近い広大な面積と雄大な自然を誇り、カウボーイ時代の古き良きアメリカが今もなお生きている。一方で、光エネルギーで浮遊する巨大飛空挺など、地球よりも遥かに進んだ文明をもちながらも、滅びゆく惑星バルスームの地表は砂漠と化し、失われた海洋を渇望する人々の姿。異形のクリーチャーに囲まれる中、地球人に似た容姿をもつデジャー・ソリスを通じて、現代社会における男女の立場や、地球が進むべき未来について考えるのもよいだろう。

 深い過去の傷から、ヒーローとして待望される地球の男ジョン・カーターと、知性と武力を併せ持ち、祖国のために身を捧げる王女デジャー・ソリス。全宇宙にも及ぶ力をもつマタイ・シャンを相手に、惹かれゆく二人の未来は重なる時が訪れるのだろうか。勇敢な戦士の姿から一転、目映いばかりの婚礼衣装をまとったリン・コリンズの美しく高貴な姿にも注目。

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『ジョン・カーター』特集ページ