――この映画は好きにならずにいられない作品です。覗き見趣味ではなく、マリリンをはじめ、人々の人間の感情が丁寧に描かれているから。あなた自身ご覧になって改めて好きになったところはありますか?

ミシェル:自分は映画のほんの一旦を担っているにすぎない。だから、撮影中は映画のトーンやカメラワークや照明など、その他の部分までは気が行き届かないの。自分の役柄やそのストーリーを語ることに注力しているから、映画を見るとなると常に恐怖を感じると同時に興奮もするね。今回はデトロイトで観客と一緒に観たの。何がびっくりって、みんな良く笑っていたのよ。「そんなにおかしい所があるなんて、気付かなかったわ」と驚いたわ。私も台詞のジョークは覚えているはずなのに、自分でも笑っちゃったわ。映画としてはうまくまとまっていると思う。だから嬉しいわ。

――ジル・テイラー(衣装)のコスチュームはもちろんマリリンのイメージを元にしていると思いますが、役を演じるにあたって役立ったのでは?あの時代のファッションを着てみてどんな感想をお持ちですか?

ミシェル:そうね、役立ったと思う。一人で練習するにあたり、タイトスカートを履いて、ローカットのブラウスを着て、ウェストにベルトを巻いて、ハイヒール履いて、腰をくねらせながら部屋の中を歩いてみたりした。普段はいつでも走ったり逃げたりすることができるような格好なので、フラットシューズを履いていたりするの。だから普段とは大分違う格好だったので、訓練になったわ。マリリンのファッションの好きなところは、そのシンプルさ。彼女自身の美しさが宝石だった。だからけばけばしい格好はしなかった。身に纏うものはカジュアルで、カプリパンツに黒のタートルネック、シンプルでシックなドレスなどだった。派手な装飾が妨げにならず、彼女の素の美しさがにじみ出てくる。気品がないとできないことだと思う。

――踊るシーンを見てあなたのミュージカル(映画・舞台)を見てみたくなりました。興味ありますか?(あると答えたら)どんなミュージカルに出てみたいですか?

ミシェル:是非やってみたいわ。今回も歌ったり踊ったりしていて、楽しくてしかたなかった。歌や踊りは理屈のスイッチがオフになるからいいね。踊っている時は、自分が何をしているかなんていちいち意識しないでしょ。振りつけを体にしみ込ませているわけだから、体が勝手に動いてくれる。それに歌も加わると、パフォーマンスの最中は自分自身に対する批判の声が止む。だから楽しかったし、これからも機会があれば是非やってみたいと思うわ。

――あなたが大スターになる前に出たオフブロードウェイ「キラー・ジョー」(ウィリアム・フリードキン)が映画になりました。あの頃はどんなことを考えて生きていましたか?

ミシェル:あの舞台は大好きだったわ。私にとっては“大人の仕事”に初めて挑むチャンスだったの。あの舞台のおかげで、やりたい仕事が手に入るようになり、その後の方向性が決まった気がする。たった一人の人でも“彼女ならできるかもしれないよ。チャンスを与えてあげようよ。”と言ってくれる人がいれば、道は開けるの。それに、誰かに認められたおかげで、自分自身を信じることができるようになった。その自信の種がその後の全ての礎になった。

――日本のファンにメッセージをお願いできますか?

ミシェル:日本の皆さんはいつも素敵な手紙をくれるわ。本当に、(他のどの国よりも)綺麗な手紙をくれるの。是非映画を見に来て。

マリリン 7日間の恋 - 作品情報

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