消費税大増税 そこが知りたい/中小業者への影響は?

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 Q 中小企業にも深刻な影響がでるのではないでしょうか。

 A そのとおりです。 消費税増税で被害を受けるのは、消費者だけではありません。全国商工会議所などの中小企業4団体が行ったアンケート調査によると、今でも多くの中小企業が、「消費税を販売価格に転嫁できていない」と回答しています。消費税が増税されても、増税分だけ価格を上げるのは難しいという業者が多数です。

 大企業に部品などを納入している下請け企業の場合には、「納入先から消費税分だけ単価を下げることを強要された」という例も少なくありません。

 消費税を受け取ることができなかった場合でも、税務署には消費税を納めなくてはなりません。収支が赤字なら、法人税や所得税は納めなくてすみますが、消費税は赤字でも納めなくてはなりません。「社長の給与を削って納めた」「家族の保険を解約して納めた」など、身銭を切って納めるという状況が、いまでも広がっています。

 そのうえ消費税が増税されたら、倒産や廃業も増えます。雇用の7割を支える中小企業が苦境に追い込まれたら、日本経済はますます深刻な事態になってしまいます。

大企業は負担しない?

 Q 「消費税は大企業が1円も負担しない」ってほんとうですか。

 A ほんとうです。大企業は1円も消費税を負担しません。

 「大企業だって買い物すれば消費税を払うのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。それは、その通りです。それに、多くの大企業は、税務署に消費税を納税してもいます。しかし、消費税を払ったり、納税したりすることと、「負担する」ことは同じではありません。

 たとえば、原材料や部品を80億円仕入れて生産し、製品を100億円で販売する企業を考えてみましょう。仕入れのときに払う消費税は80億円の5%で4億円、販売のときに受け取る消費税は100億円の5%で5億円です。この場合、5億円と4億円の差額、1億円を税務署に納税する―これが消費税の仕組みです。ですから、大企業は、自分の懐からは1円も負担しません。

 輸出品には消費税を課税しないことが、国際的なルールになっています。このため、輸出企業は仕入れのときに払った消費税を輸出のときに取り返すことができないので、税務署がその分を企業に還付する仕組みがあります。これを「輸出戻し税」といいます。輸出企業の多い地域の税務署は、消費税の納税額より還付額の方が多いくらいです。

 実際には、消費税分だけ下請け単価を引き下げさせ、実質的には消費税を払っていない大企業もあります。それでも「輸出戻し税」が払われます。消費税でかえって得をしてしまう大企業さえあるのです。