外食産業市場全体が伸び悩む中、「そば・うどん店」のカテゴリーはセルフ式のお店が急増し、売上を伸ばしている。

 外食産業総合調査研究センターが平成23年5月に発表した、平成22年外食産業市場規模推計によると、平成22年の外食産業の市場規模は23兆6,450億円と推定され、平成21年の23兆6,454億円とほぼ同規模だった。

 市場全体が伸び悩む中、「そば・うどん店」のマーケットは元気がある。外食産業総合調査研究センターの同推計によれば、平成22年の「そば・うどん店」の市場規模は1兆745億円で、平成21年の1兆667億円を0.7%上回っている。

 これまで「そば」や「うどん」の業界は、大手チェーンが存在せず、小規模な店舗や地域の中小のチェーンが主流だった。しかし最近では、うどん業界がセルフ式の業態を持ち込み、店舗数を急速に増やしている。

 その1つが吉野家ホールディングスのグループ会社「株式会社 はなまる」の「はなまるうどん」だ。平成12年5月に創業店舗の木太店を香川県高松市に開店した後、フランチャイズ事業を展開しながら店舗数を増やし、平成23年3月には300店舗を突破した。うどん1杯105円からという料金設定と、セルフ式の手軽さが支持されている。

 「自家製麺」にこだわるトリドールの「丸亀製麺」も元気がある。「丸亀製麺」は店内に製麺機を置くなどして、より本格的な讃岐うどんをお客に提供している。店舗数は順調に増えており、平成23年5月に全都道府県への出店を達成させたほか、同年8月には国内500店舗を達成させた。

 セルフ式のうどん店が支持されていることを受け、セルフ式のそば店も登場している。その1つが信越食品グループの「ゆで太郎」だ。「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」にこだわり、これまでの立ち食いそば屋の概念を越えた店づくりで支持を集めている。ゆで太郎1号店を開店したのが平成6年10月、平成23年2月には100店舗を達成した。

 このように好調な店がある一方、表面的に真似をしただけの店は撤退を余儀なくされている。厳しい競争の中で生き残るためには、低価格を実現するための「合理化」だけでなく、職人的なクオリティの高さも必要も必要だ。差別化のための創意工夫が明暗を分けそうだ。

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サイトウ イサム、 加藤 秀行[著]

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