『幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?』

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「幸福経済学」という学問があるそうだが、ご存じだっただろうか。阪急コミュニケーションズが2012年2月1日に発売した新刊本『幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?』の著者、タイ人でシンガポール南洋理工大学経済学部助教授のニック・ポータヴィー氏はその「幸福経済学」の専門家で、これまで、ニューヨーク・タイムズやガーディアンなど、世界の主要紙にも幾度となく取り上げられている人物だ。特に、イギリスのテレビ番組が「子どもをもつと不幸になる」と論じた記事を取り上げて話題を呼んだのは記憶に新しいところだろう。

「本当の幸せとは何か」科学的にアプローチ

そんなポータヴィー氏が、「本当の幸せとは何か」を、科学的アプローチで探ろうというのが本書だ。後半には、「なぜ、私たちは幸せにならなければならないのか」「幸福を決めるのは誰か?」という哲学的な言説も登場するが、「お金で買えないものの値段」と題した第4〜5章はまさに「経済学」といえる論旨で、数式やグラフが頻出する。そこで、ポータヴィー氏は「人間関係の値段」を論ずる中でこんな分析をした。1000ポンド×(結婚係数÷収入係数)=約20万ポンド(約2500万円)。つまり、結婚1年目にもたらされる幸福の価値は「2500万円」だというのだ。さらに、興味深いのは、子どもが生まれた最初の年の満足度の上昇が、その年に2500ポンド(約31万円)の予期せぬ収入があったのとちょうど同じくらいに相当するとの説。

いずれにせよ、「幸福」というものを今一度、考え直すうえで、きっかけになるかもしれない書といえる。

単行本、304ページ。価格1680円。