時間が許せば、試合前の練習風景を見るようにしている。日本ハムで楽しいのは、稲葉篤紀の打撃練習だ。鋭いラインドライブを気持ちよさそうに打つ。スタンドインも何発もある。昨年大阪で何試合か見た限りでは、中田翔よりも飛距離があった。いつもコンディションをベストにしているという印象だ。

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隣町のイチローより1学年上。少年時代から互いを知る間柄だったという。法政大を中退し94年のドラフト3位でヤクルトに。2位は宮本慎也だった。

以後、中軸打者として活躍するが2004年オフにFAとなりMLBへの挑戦を宣言する。しかしどの球団からもオファーがなかった。イチローの活躍に刺激されてのMLB志望だったのだろうが、成績を考えれば無謀な話だった。
居場所がなくなる危機だったが、北海道に移って2年目の日本ハム高田繁GMが手を差し伸べ、日本ハムへの入団が決まる。

稲葉の野球人生ははっきりと2色に分かれる。稲葉の場合「MLBに移籍がかなわなかった」という悔しさが、その後の活躍の原動力だった。

ヤクルト時代の稲葉と日ハム時代の稲葉の成績を144試合に換算して比べてみる。

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ともに中距離打者のSTATSだが、日本ハム時代の稲葉はパワーアップし、中軸打者にふさわしい充実した数字になっている。打点80は貢献度が高い。これが33歳から39歳までの数字なのは驚くべきことだ。

昨日のオープン戦初戦。稲葉は2番を打ち3回に2塁打を放った。栗山新監督は「稲葉は“顔”で打つことが出来るから」と語った。堂々たる中心打者への評価だ。

故障さえしなければゴールデンウィークの頃には2000本安打に到達する。

もう「稲葉はMLBに行かなくて正解だった」といっても怒られないだろうと思う。