サンパウロとMFルーカスのフィーリングがぎりぎりのところに来ている。結果がついてこず、同選手が浮き沈みあるシーズンを過ごしたからだ。確かに、違約金はまだ8000万ユーロと高額に設定されている。だが、「本当の数字」はまったく別のものだ。インテルは同選手の様子をうかがっている。
 
ルーカスは世界のサッカー界で新たな怪物となる可能性がある選手の一人だ。爆発的な加速を持ち、南米選手らしい両足を持っている。さらに、1992年生まれと若い。高齢化やハングリー精神のなさがやや叫ばれているインテルには完璧な存在だ。
 
インテルはスピードとファンタジーの注入を必要としている。ルーカスは1トップの後ろでMFヴェスレイ・スナイデルとプレーすることも、スナイデルがイタリアでの冒険を終え、マンチェスター・ユナイテッドのオファーを受け入れることを決断した場合に、同選手の代役となることもできる。
 
マッシモ・モラッティ会長はルーカスのビデオをたくさんチェックし、良い意味で驚いている。インテルの最初のオファーは、3000万ユーロ(約30億4000万円)前後だ。だが、クリスマス休暇の間、インテルのフロントはサンパウロと再び接触すべく、ブラジルへと戻るだろう。
 
ブラジルからはコリンチャンスMFパウリーニョもセリエAに来るかもしれない。同選手は熱狂的なサポーターとの問題から、「コリンチャンスに残る」と、移籍を望んでいないと主張し続けている。だが、実際は違う。同選手の周辺は、以前から交渉しているミランとローマに対し、約10日以内に交渉をまとめるようにと求めたのだ。
 
つまり、パウリーニョを望むチームは、クリスマス前に800〜1000万ユーロ(約8億1000万〜10億1000万円)のオファーを持ってサンパウロを訪れ、コリンチャンスと話をまとめなければいけないというわけである。移籍するかどうかは別にして、選手は穏やかに新たなシーズンを始めることを望んでいる。
 
パウリーニョをより必要としているクラブは、間違いなくミランだ。MFジェンナーロ・ガットゥーゾの早期復帰を願うミランだが、スクデット争いにもチャンピオンズリーグ争いにも残っているにもかかわらず、中盤の人数が限られており、しかも現有戦力は決して若くない。それでも、ローマはミランよりも少し高額のオファーを準備している。
 
一方、リーベル・プレートFWフネス・モリのことは覚えているだろうか? 1年前にナポリやフィオレンティーナへの移籍に近づいていた同選手は、リーベルが2部に降格するなどの危機もあって、消えてしまっていた。同選手の父親は、精神的にも彼を「破壊」したとリーベルを非難し、完全なるバトルの寸前だったのだ。
 
だが今、彼は再びゴールを取り戻し、再び注目を集めている。フィオレンティーナはFWサンチャゴ・シルバとのトレードを考えているところだ。だが、アタランタもFWヘルマン・デニスが退団する場合の代役として、フネス・モリを注視している。フネス・モリの価格は1年前の半分、つまり400万ユーロ(約4億円)だ。