「演歌歌手は紅白出場の有無で、翌年の営業が成り立つかどうかが決まります」。こう話すのは、芸能レポーターの城下尊之氏だ。以前は営業だけでなく、翌年のギャラにまで影響したという。一方、ニューミュージック系のアーティストにとっては、紅白出場が影響することはないようで、辞退者が続出――。

「矢沢永吉(62)やB’zなど、出場を辞退する人は昔からいました。紅白出場に関係なく売れていて人気のある人は、出なくてもいいんですよ」(城下氏)

 だが、連続出場記録が更新されればされるほど、「落選」はショックなのだと、ベテラン芸能記者は明かす。

田原俊彦(50)と近藤真彦(47)の人気が拮抗していた時代、トシは80年、マッチは81年に初出場した。トシは86年まで7年連続出場するのですが、87年は落選。マッチは出場となりました。実はこの時、NHKから『ジャニーズからは1組にしてほしい』との要望が伝えられていたんです」

 これを受け、ジャニーズ事務所副社長のメリー喜多川氏はマッチを選んだ。

「トシを事務所の都合で落としたことが、本人に知られてしまった。トシは事務所に不信感を抱くようになり、自分でドラマ『教師びんびん物語』の主役を取ってきました。それが高視聴率をマークし、主題歌『抱きしめてTONIGHT』が大ヒット。88年に紅白再出場が決まりますが、事務所への腹いせもあってか、辞退してしまう。この一件が、のちの事務所独立につながったんです」(前出・ベテラン芸能記者)

 91年にはハウンド・ドッグが反旗をひるがえす。代表曲「ff(フォルテシモ)」を選曲したNHKに対し、メンバーは翌年にリリースする新曲「BRIDGE〜あの橋をわたるとき〜」を希望したが、却下されたために出場を断った。代役はハウンド・ドッグと親交の深いバブルガム・ブラザーズ。彼らは歌い終わると

「ありがとう、ハウンド・ドッグ」とのメッセージを送った。

 これらはアーティストとしてのプライドを守るための辞退だが、「黒い交際」の発覚が引き金になったケースも・・・・。

 86年、演歌界の大御所・北島三郎(75)と山本譲二(61)がヤクザ主催の宴席に出席していたことが暴露され、12月29日に急きょ辞退。その枠は角川博(57)と鳥羽一郎(59)が埋めることになったが、鳥羽自身も「自分も過去にヤクザと関わりがあった」として、辞退した。

「それでも1回の辞退で“みそぎ”ですからね。やはり、ベテラン演歌歌手は外せないんでしょう」(スポーツ紙芸能記者)