今季限りで読売ジャイアンツを退団したアレックス・ラミレスの動向に注目が集まっている。これまでにも、横浜DeNAベイスターズが非公式ながらオファーを出したほか、東北楽天ゴールデンイーグルス福岡ソフトバンクホークスなどが調査に前向きだ。

 7日に米国に一時帰国したラミレスは、ベイスターズからのラブコールに対して、「新しい希望に満ちあふれたチームで良い選手もたくさんいる。必要とされるのはありがたい」とコメント。その他の球団との交渉についても、 「手を挙げてくれた全ての球団と直接話したい」と話した。

 まずは、ラミレスの前季から今季の打撃成績を振り返りたい。打率は.304から.279、出塁率は.338から.322、長打率は.613から.453にそれぞれ低下。本塁打数も、49本から23本に減少した。

 もともと守備力に難があり、打撃力で補っていた選手だけに、ジャイアンツが契約最終年の今季、契約を更新しなかったのもうなずける。

 ラミレスは今年37歳。今季の成績低下は、加齢による体力の衰えも考えられるが、それ以上に大きな影響を与えたのが、12球団統一球、いわゆる「飛ばないボール」だ。他の外国人選手も、この統一球への対応に苦しんだ。

 前季から今季にかけ、2年連続で規定打席数に達した外国人選手は、12球団でラミレスを含め3人阪神タイガースクレイグ・ブラゼルと、マット・マートンだ。両外国人選手とともに、今季の打撃成績は前季を下回った。

 ブラゼルは、打率が.296から.282、出塁率が.329から.322、長打率が.573から.445に低下し、本塁打数は47本から16本に激減。マートンも、打率が.349から.311、出塁率が.395から.339、長打率が.499から.423、本塁打数が17本から13本と、打率・出塁率・長打率・本塁打数の全てで、前季を下回った。

 前季、規定打席数に到達した外国人選手は10人。その平均は、打率.285、出塁率.349、長打率.504、本塁打数28.2本だった。
 今季は6選手に減り、打撃成績も、打率.271、出塁率.325、長打率.434、本塁打数19.7本と、前季から下降している。

 ラミレス、ブラゼル、マートン以外の選手は前季と今季で異なるため、単純な比較は出来ないが、パワーが売りの外国人選手といえども、いかに統一球に苦しんだかがわかる。
※球界全体での統一球の影響は、10月26日更新の「統一球の爪痕」(http://blog.livedoor.jp/yuill/archives/51625086.html#more)を参照。

 こうなると難しくなるのが、来季以降の外国人選手の補強だ。球団もファンも、外国人選手のパワーを期待している。外国人選手を「助っ人」とはよく言ったもので、今季12球団最少の46本塁打に終わった千葉ロッテマリーンズでも、FA選手による補強には消極的だが、外国人選手の獲得には意欲的だ。

 またスポーツ紙は、新たな外国人選手の名が浮上するたびに、「メジャーリーグ(マイナーリーグ)で通算●本塁打」と、その長打力を紹介している。

 だが、外国人選手は持ち前のパワーを、これまで以上にわが国で発揮できなくなるかもしれない。これまでにも、球団やファンの期待を裏切った外国人選手は少なくないが、打球が飛ばない統一球の影響で、パワーを発揮することなく日本を後にするケースが増える可能性がある。

 外国人選手への投資が、いっそう難しくなる。統一球に負けない本当のパワーを持った外国人選手に、これまで以上の大金を叩くかいっそパワー二の次にし、走攻守の総合力で外国人選手を選ぶか。球団には、外国人選手の補強について、方針転換が求められているのではなかろうか。もちろん、日米の環境の変化に対応できる適応力は不可欠だが。