ザスパ草津U-23がトップチーム昇格という目標と並んで掲げてきた「天皇杯出場」。しかし、8月28日に行われた天皇杯・群馬県予選(県協会長杯決勝戦)でJFLアルテ高崎の前に力の差を見せつけられて0-6と完敗。

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トップでプレーする機会を掴むということが大きな目標であるU-23だが、それぞれの個人目標以上に、チーム、そして仲間と共に勝ち取ろうと決意した天皇杯出場権を獲得できなかったことは精神的に大きなダメージとなっていた。そんな中で、9月に西野隆司と宮下薫の2名が退団という形となり、16人のメンバーで残された目標のために選手はトレーニングを続けている。

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そして昨日は、あの協会長杯決勝戦以来のゲームを見てきた。早いもので、あの試合からまもなく2ヶ月が経とうとするのだが、退団選手の穴、そしてケガ人も多く、メンバーのやりくりは相変わらず苦しいところでもある。9月18、25日に行われた県リーグでは、なんとかフィールドプレーヤーが10人揃っていたが、横山や森川まで欠場する事態となってしまい、10月に行われた2つの公式戦はフィールドプレーヤー8人で戦うこととなってしまう。まあ、それでもレベルの差もあり無敗はキープしているが、初失点を喫してしまったところは反省しないといけないだろう。

ということで、前置きが長くなってしまったが、昨日行われた尚美学園大学との練習試合を振り返りたい。

[U23メンバー]
ーーー歌丸ーー笠原ーーー
ー清水ーーーーーー吹田ー
ーーー市川ーー枝本ーーー
白井ー川瀬ーー成田ー横山
ーーーーー島並ーーーーー

安田、飯山、森川、藤崎の4名がケガなどで離脱中ということもあり、GKを除いたフィールドプレーヤーは9人しかおらず、練習試合ということもあり笠原がFWで登場。今日のユニは森川の「57番」を着用して登場。そして相手の尚美大だが、1、2年生中心の若手チームだ。(システムは4-4-2)

さて、この試合でまず目に付いたのがマイケル(歌丸)の動き。公式戦ではGK(笠原、島並、後藤)をフィールドプレーヤーに使うことをしていないため、少ない人数かつ、前線は自分一人という状態でプレーしているマイケルが、以前よりも数段「フォー・ザ・チーム」の動きが出来るようになってきた点だ。森川や藤崎に比べてしまえばまだまだ物足りないが、それでもボールを追う、プレスを掛けるという動作は出来るようになってきた。また、この日は2得点を挙げてチームの勝利に貢献したが、ゴール前でいい場所を取っていたところも成長の証か?

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また、チーム事情で慣れないSBに入っている白井も必死に今のポジションにトライしている。そしてもう一人、これまでのチームからガラっと変わってしまった中で、中盤のコンダクターとして難しい役割をこなしている枝本にも注目した。

木村コーチは「これまでの選手なら『こう動く』とわかってボールを動かせていたけど、今は随分変わってしまったからエダは結構難しいと思います。周囲のレベルもそうだし、選手の特徴、個性もこれまでとは違う。でもね、メンバーがこれしかいないからやらなければいけない。当然、エダやイチに周囲が合わせなければいけないけど、逆にエダも周囲を活かす工夫をしなければいけない。

メンバーが変わったから出来ませんではダメ。だから、今の状況は逆に枝本にとっていいと思いますよ。周囲にどんな選手がいようとそれを活かすのがいい(中盤の)選手なんだから、これも勉強の一つだし、いい経験(機会)だと思いますよ」
と試合後に語ってくれたが、確かにそのとおりであると感じた。

いい選手がまわりにいれば、中盤の選手としてそれはそれでやりやすい。まあ、そんなことは当たり前のことなのだが、本当にいい中盤の選手とは、周囲のレベル、動きの特徴を把握しながら、ボールだけではなくゲームをうまく動かすことができるのが本当にいい選手。確かに枝本は巧い選手であると思うが、選手としてもう一回り成長するには、どんな状況でも人を活かし、そして自分も生きるプレーを出来るようにしてほしいところである。

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ゲームの話しに戻るが、内容的という年齢的に上であるU-23のペースで試合は進むが、やはり本職のFWではない笠原が入っていることもあり、前線で思うようにボールをキープできず、奪われて早いカウンターを喰らう場面もちらほとと…

そんな場面で、やはり本職ではないSBの白井、そしてCBの川瀬は守備の場面で「飛び込んでしまう」ことが時たま見られ、シュートまで持ち込まれてしまうシーンを作ってしまった。それぞれ、高校生時代は攻撃の選手であったため、守備的ポジションには不慣れであることは理解する。しかし、今は与えられた環境、ポジションでなんとか結果を出さなければいけないのだから「不慣れだから…」では済まされないのだ。

まあ、失点までに結びつかなかったのは不幸中の幸い。本来、もう少し高い位置で攻撃的なプレーをしたいのはわかるが、守備をやることもまた勉強だし、今はどんなポジションでも試合にでて経験を積むことが若い選手には必要なこと。ここで守備の「駆け引き」を学べば、攻撃的ポジションに戻っても必ず活かされる時が来るはずなので、ここは辛抱強く「ディフェンス」を学んで欲しい。

また話が試合の内容から逸れてしまいましたが、試合は上記にあるとおり、時折カウンターでピンチを迎える場面もあったがU-23のペースで進む。しかし、急造FW笠原も奮闘するも、なかなかシュートまで持ち込めずややもどかしい展開が続き、まもなく前半終了という43分、FKのチャンスを得ると成田が前線に上がっていく。

そしてこの場面で中に入ってきたボールがこぼれて成田の足下へ。おおっ!決定的場面!と思ったのだが、シュートはミートせず(もしかしてあれはパスだったのか?)またもボールが流れるが、これを詰めていたマイケルが蹴り込んで43分にU-23が先制。

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そして後半途中からFW笠原に代わって、藤崎先輩の「48番」のユニフォームを身にまとった後藤がFWとして登場。そしてちょっと以外だったが、足が速く結構チャンスに積極的に絡み、72分には枝本のパスからシュートを打つ場面も。実はフィールドプレーヤーでもイケルんじゃない? と少々思ってしまった(笑)

まあ、急造FWの話はさておき、ゲームの方は66分に清水が左サイドを突破すると、中へグラウンダーのボールを入れる。すると中で待っていたマイケルが落ち着いて蹴り込んでこの日2点目。また、先ほど守備面でまだまだ改善点があると書いた川瀬だが、終了間際の83分にはカウンターの場面で果敢に攻撃に参加し、惜しくもゴールとはならなかったが素晴らしいタイミングでシュートを放っていく。

という感じでゲーム自体は2-0でU-23が勝利。細かい部分(特に守備面)では修正すべき点もあるが、メンバーが少ない中では及第点といったところではないだろうか?

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今年の活動期間もまもなくあと1ヶ月となろうとしており、今年のメンバーでサッカーをやる時間もあと僅かとなってきている。そんな短い時間の中で、改めて副島監督や植木GMに自分の力をアピールするのは難しいかも知れない。しかし、16名のメンバーたちは、8月28日の時点よりも成長していなければいけないし、自分に足りないものを日々のトレーニングで克服して行く必要がある。

残されたメンバーたちは、もう間もなくすれば嫌でも「来季をどうするか?」という選択と向き合うこととなる。もしかすれば、来年前橋でプレーする選手がいるかも知れないし、来年もこのチームでプレーをする選手、そして別の環境を求める者と、それぞれがいろいろな選択をすることとなるだろう。

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県協会長杯決勝から2ヶ月が経過したが、練習試合を見た感じでは「個」の部分で成長が見られる選手もいたのだが、それぞれがあと1ヶ月程度の中でどれだけ自分の力を高めることが出来るだろうか? 今一度、自分の目標、課題ともう一度見つめ合い、少しでも選手として高いレベルになれるよう努力してほしいところである。そしてシーズン終了前までに、今のケガ人がチームに戻り、現時点で考えられるベストな組み合わせで、ベストなゲームを見せて欲しい。

練習試合 10月26日 @尚美学園大グラウンド
尚美学園大 0-2 ザスパ草津U-23
[得点者]
43分、66分歌丸(U-23)

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で、夜のトップチームの試合ですが、クソ寒い平日ナイターに集まった観衆に、寒さを忘れさせるような試合を期待しましたが、連戦の疲れからか途中からかなり失速。主審の判定などに文句もいいたいところでしょうが、それ以前にせっかく連勝を果たしても、その勢いが長続きしないところが悪い癖なんだよなぁ…