野田政権になり、増税を推し進める官僚の衣・食・住は税金で手厚く賄われている。だが、その優遇ぶりは定年退職後も続くのである。

定年や早期勧奨退職でリタイアすると役人には第2の人生の天国が待っている。 高級官僚が現役時代並みの高給を保障されて独立行政法人や公益法人に天下りを繰り返し、そのつど、退職金を受け取る「渡り鳥」はよく知られている。

財務官僚の有力OBでは、「大蔵のドン」と呼ばれた長岡實・元次官は日本たばこ産業社長や東京証券取引所理事長はじめ5回を超える天下りを繰り返し、87歳の現在も理事長を務めた財団法人・資本市場研究会の顧問に居座り、同じく大物次官OBで「ワル彦」の異名を取った吉野吉彦氏(81歳)は、国民金融公庫総裁、日本開発銀行総裁などを歴任し、現在は公益財団法人「トラスト60」会長を務めている。

ほかにも、生涯収入8億〜10億円を稼いだとされる渡り鳥官僚は各省とも枚挙に暇がない。

最近では、役人は民間企業への「現職出向」という給料アップの裏技を編み出している。天下り批判など公務員制度改革を唱えて本誌にもしばしば登場した改革派官僚・古賀茂明氏はさる9月末に経産省を退職したが、退官1年ほど前、当時の次官から「年収2000万円、5年勤務で1億円」という条件で現職のまま大手電気機器メーカーへの出向を打診され、断わっている。

指定職である古賀氏の年収は規定で約1500万円だったから、500万円アップの提示だ。定年を迎えるとそのまま企業に天下ることもできるわけで、現職出向という制度がいかにおいしいかがわかる。信念ある古賀氏だからこそ誘惑に乗らなかったが、たいていの官僚なら大喜びで飛びつくだろう。

※週刊ポスト2011年10月28日号