担当M(以下M):U-22日本代表が鳥栖スタジアムで開催されたロンドン五輪アジア最終予選、初戦のマレーシア戦で2-0と勝利を収めました。

ラモス(以下R):それが、台風の影響で新幹線の中に2時間40分閉じ込められて、生放送は見られなかったんですよ。あとで録画で確認しました。

M:それは大変でしたね。ところで試合内容についてはどう思いましたか?

R:前半がよかったですね。いい形で点を取りましたしね。清武がいいね。ただね、特に後半は試合の運び方にもう一工夫ほしかった。

M:一本調子になってしまいましたね。

R:試合のリズムを変えられる選手がいないんですよ。若い選手にはありがちなんですけど、ずっと速いままになってしまう。

M:A代表で言えば遠藤保仁選手みたいにテンポを替えられる選手が見当たらないんですね。

R:遠藤みたいな選手は日本ではなかなか出てこないですからね。元C大阪の森島寛晃とか、元ヴェルディの菊原志郎というタイプは少ないんです。

M:どうすれば改善されるのでしょうか。

R:オーバーエイジの選手を呼んで、一緒に練習させるのがいいと思いますよ。今の段階でもトレーニングをともにするだけで、選手たちの成熟度が上がると思いますね。代表選手としての心構えとか、振る舞いとか、そういうのも若い選手たちの手本になりますからね。U-22の選手にとっても、目の前に目標とする選手がいるというのも刺激になるでしょう。

M:本大会でももちろんオーバーエイジの選手を使ったほうがいいという考えですね。

R:そうです。ブラジルもアルゼンチンも本気でメダルを狙いに来るから、ちゃんとオーバーエイジを使ってきます。日本もメダルが目標なんだったら、使わない手はない。そして今からベテランの選手の経験を植え付けて、若手を成長させたほうがいいと思います。

M:関塚隆監督の采配はいかがでしょう。形にこだわった選手交代でした。

R:まずね、メディアがそれに気付いたら書くべきですね。どうしてもっと違うフォーメーションを試さないのか、そう思ったら書くべきです。ただ、関塚監督はじっくりとチームを仕上げるタイプで、いくつかのバリエーションはあるでしょうし引き出しもたくさん持っていると思いますが、慎重に試していくでしょうね。

R:ラモス監督だったらどうしますか?

M:僕だったら試合中にもっと大きくフォーメーションを変えてどうなるか試すでしょうね。でも、それはそれぞれの監督のやり方があるから。今の方法でも問題はないと思います。ともかくオリンピックに出て、そこで上位に進出することを目標として頑張ってほしいと思います。