先日、Twitterで「乙武さんは、子どもの頃、どんなテレビゲームをやりましたか?」という質問を受けた。真っ先に頭に浮かんだのは、『ドラクエIII』。小学校6年生のときに買ってもらったRPGの名作は、ずいぶんと長い間やりこんだ。中学に入ると、『三国志』『信長の野望』シリーズなど、歴史シミュレーションゲームにはまりだした。でも、いちばん長いことやりこんだゲームと言えば、やっぱり『ベストプレープロ野球』。通称“ベスプレ”だ。

 このベスプレ、それまでの『ファミスタ』シリーズなどの野球ゲームとは一線を画していた。なんと、試合中にプレイヤーを操作しないのだ。打つときや投げるときにAボタンを押す――といったアクション性、つまりゲームとしての“動き”は、一切ない。もちろん、いまや定番となっている感のある選手の成長システムのような類も、一切ない。

 じゃあ、いったい何が楽しいのか。このゲームの最大の特徴は、データをいじれること。野手であれば、長打力や巧打力、足の速さや肩の強さ、さらには各ポジションの守備能力、投手であれば、変化球の切れや制球力、安定感や平均球速といった細かな要素まで、【S・A・B・C・D・E】の6段階でみずから設定できてしまうのだ。

 野球ゲームをリアルに楽しむためには、実際のペナントレースでの選手の活躍の度合いに応じ、選手の能力値が変動していく必要がある。だから、ユーザーは「○年版」として発売される新作をつねに購入しなければならなかった。ところが、このベスプレなら、そんな心配も無用。自分でデータをいじれるのだから、セルフサービスで“データを更新”すればいいのだ。

「ああ、この選手は今季どうも大振りが目立つなあ」と思えば、【選球眼】の項目をCからDに、「このピッチャー、フォームを変えて、去年よりずいぶんコントロールが良くなったなあ」と思えば、【制球力】をCからBに。そうして、プレイヤーみずから選手の能力値を変えていくことが可能なため、一度そのソフトを買ってしまえば、半永久的に楽しむことができるのだ。

 いじれるのは、データだけではない。なんと――あ、もっとベスプレの魅力をお伝えしたかったんだけど、このまま行くとどんどん長くなってしまいそう。続きは、次回に!

乙武洋匡のベースボールコラム〜バックナンバー
あの夏のマイヒーロー
始球式にこめた思い
いざ、東北へ!
プロレス観戦から得たヒント
統一球導入の陰で……乙武洋匡「希望 僕が被災地で考えたこと」乙武洋匡著「希望 僕が被災地で考えたこと」
クチコミを見る