「おいおい、また完封負けか」
「ホームランはゼロ、ヒットは1ケタ……。もう眠くてたまんねェ」

球場を後にするファンの口からはボヤキばかり。今シーズンから導入された「飛ばないボール」によって、選手たちの打撃成績は惨憺たる結果となっている。一番の被害者は、カネを払って観に行く客たちだ。「統一球になって、プロ野球が面白くなくなった」――これがファンたちの偽らざる本音である。

今季のプロ野球の「つまらなさ」はデータが如実に物語る。これまではシーズン通して20試合ほどしかなかった引き分けが、今季はすでに42試合(9月8日現在)。震災の影響による「3時間半ルール」も大きな理由だが、それだけではない。

今年に入って、0-0の試合がすでに3試合もある。9月8日の巨人−中日戦に至っては延長12回を戦った末にヒットは両チームあわせて7本だけ。いくらスポーツ紙が「息詰まる投手戦」と書き立てても、ファンは見抜いている。投手力の向上ではなく「統一球の影響」で打者たちが打てなくなったにすぎないのである。

昨季までは球団によって採用している公式球のメーカーや種類が異なっていたが、今季からは反発係数の低いボールに統一された。2009年のWBCで日本代表が同大会公式球への対応に苦しんだこともあり、「国際基準に合わせるべき」と実施された。その国際化の結果が「しょっぱい試合」の量産だ。

打率は昨年比で2分2厘ほど(.269→.247)、1試合あたりの平均得点も4.39から3.27と1点以上ダウンしている。ホームランに至っては1試合あたり1チーム平均0.55本(昨年は0.93本)。つまり球場に足を運んでも、ホームランを見られる試合は2回に1回なのである。

※週刊ポスト2011年9月30日号