イケメンシェフの川越達也、39歳。自身がオーナーシェフを務める東京・代官山のイタリアンレストラン『TATSUYA KAWAGOE』は3ヶ月先まで予約で埋まり、『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)や『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)など、テレビ番組にも引っ張りだこ。

 さらに最近は、フードプロデューサーとしても活躍。1日からはPasco(敷島製パン)のパン4種類、8日には「ニッチン食堂」ブランド(日清食品)から「シェフズプレミアムシリーズ」、さらに12日には雑貨類の企画販売を手がけるレアック・ジャパンからキッチン用品シリーズと、彼が監修した商品が続々と発売される。

 なぜ彼は、これほどまでに大人気なのか。その理由を『お願い!ランキング』などで共演した料理評論家のJ.C.オカザワ氏が、次のように解説する。

「奥さま族が喜びそうな王子さま系のルックスはもちろんですが、川越さんは非常に素直な性格で絶対に敵をつくらないタイプ。番組プロデューサーの意向どおりのコメントをしてくれるし、失言など大きなミスをすることもない。もちろん、ジレンマはあると思いますよ。たとえマズくても、チェーン店の料理やタレントの手作り料理を褒めなくてはいけないんだから。そうした気遣いが裏目に出たこともあって、某番組ではディレクターから『もっと辛口で』と指示されていましたね(笑)」

 さらに現場で一緒に仕事をした人間からは、こんな声が。

「料理番組をやるうえで一番大変なのは食材の手配。一流といわれる料理人の多くは番組スタッフ任せなんですが、彼は全部自分でやってくれる。それに本番直前の段取りも丁寧に指示してくれて決して怒鳴ることはありません」(番組制作会社AD)

 気になる点といえば、仕事の幅が広がりすぎてキムチやポテトチップス、はてはドッグフードなど“専門外”の商品まで手掛けていることだろう。『グルメの嘘』などの著書がある辛口グルメ評論家の友里征耶氏はこう指摘する。

「あれこれ手を出すのではなく、料理人は自分の料理で勝負してほしい。彼は店を持っているんだし、チャラチャラして本業がおろそかになったら最後、いつか足をすくわれると思いますよ」

 ごもっともな意見だ。だが、フードジャーナリストの山路力也氏はこういう見方をする。

「大きく捉えた場合、イタリアンもキムチもポテトチップスもすべて料理。むしろ違うジャンルのエキスパートがプロデュースすることで新しい味覚が生まれることもある。個人的には、非常にいいことだと考えています」

 なんと周辺取材で集まった悪評は、ほぼゼロ。素顔もかなりいい人らしい。恐るべし、川越シェフである。