NPBのバッティングは、どう変わってきたか?|野球史

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手間がかかったが、2リーグ分立後のセパ両リーグのリーグ打率と、平均塁打(塁打数÷安打)の推移を出してみた。適宜制度の変更などの情報を加えた。これで今年の統一球、審判部統合による投打バランスの変化が、歴史的にどれほどインパクトが分かるはずである。

ラビットボールの時代から、飛ばないボールへの変更は、このグラフを見る限りは、急激に進んだように思えない。むしろ、56年に極端な打率の落ち込みがあった。ただ平均塁打は激減していない。これはボールではなく、ストライクゾーンの変更なのかもしれない。長嶋茂雄が入団したころのセリーグは、平均打率が.230前後。1年目の.305の価値は極めて高い。

62年は王貞治が一本足打法を編み出して本塁打王になった年だが、以後、リーグの平均塁打が上昇する。いわゆるホームランブームが起きたのではないか。

71年にセリーグの平均打率が急落している。江夏、平松などの全盛期だが、関連性はわからない。この時期、パリーグは外国人が4番を打つことが多くなった。

75年からパリーグ、78年からセリーグの打率が上昇。78年のミズノの飛ぶボール導入との関連性が考えられる。

85年には規格以上に飛ぶボールを使っているのではないか、という疑惑が上がる。おもにミズノのボールが疑われたようだ。こういう疑惑は何度も持ち上がっている。

95年のパリーグの打率が急落。原因はわからない。

2001年以降、両リーグともに打率が急上昇した。ただし平均塁打はそれほど上がっていない。2002年、ストライクゾーンが広がり、両リーグともに打率が落ちた。しかし翌年元に戻すと打率は回復した。このあたりはわかりやすい。

2007年、ストライクゾーンがセリーグよりも狭いといわれていたパリーグがこれを広げた。しかし打率は下がっていない。

こうしてみると、リーグの平均打率や平均塁打は、結構上下動を繰り返している。多くは新旧交代などによる投打の顔ぶれの変化、パワーバランスの変化によるものと思われる。飛ぶボールが使われた時期は確かにあったようだが、事実関係が分からない。

また、長打を表す平均塁打は、打率と常に連動するとは限らない。打率は低いが本塁打だけはよく出る時代も、その反対の時代もあった。野球のスタイルが変わったということだ。

2011年の打率の落ち込みはかなり大きいが、前例がなかったわけではない。しかし、両リーグそろって落ちている点、平均塁打も急落している点で、前代未聞だ。そして、その原因がはっきりしているという点でも、異例のことのように思える。

野球史に残る大変革だったことは間違いがない。