試合 :FIFA女子W杯ドイツ2011 決勝T 決勝
開催日:2011年7月18日
結果 :日本代表勝利・優勝
スコア:「2−2(3PK1)」
得点者:モーガン 宮間 ワンバク 澤

○ なでしこジャパン

FW:川澄 安藤
MF:宮間 大野
MF:澤  阪口
DF:鮫島 熊谷 岩清水 近賀
GK:海堀

FW:丸山 永里
MF:宮間 川澄
MF:澤  阪口
DF:鮫島 熊谷 岩清水 近賀
GK:海堀

FW:岩淵 永里
MF:宮間 川澄
MF:澤  阪口
DF:鮫島 熊谷 岩清水 近賀
GK:海堀


やっぱりアメリカは強いな。そういうスタートでした。但し、アメリカもそれほど余裕のある状態では無かったように思います。自分たちの弱さが出ないように、とにかく最初からパワーとスピードで日本を攻め立てて試合を決めてしまいたい、そういう戦い方でした。そしてその作戦は成功していたように思います。

もっと怖れずに自分たちのサッカーを。この試合はずっとそう心の中で叫んでいました。パワーとスピードでは日本を上回るアメリカでしたが、やはりテクニックという部分では上手さが無いので、怖れずにハイプレス、そして、落ち着いてボールキープしてからのパス、そういうプレーをしていればもう少し楽に戦えたのではないかと思います。

そういう意味では、日本の選手にそういうプレーをさせなかったアメリカの戦い方というのは成功していたように思います。しかし、日本は、ニュージーランドから始まり、イングランド、ドイツ、スウェーデン、と、同じような戦い方をしてくる相手と戦ってきましたから、どれだけ攻められても気持ちが折れる事が無かった、これが大きかったように思います。

ミスも多く出ました。積極的に戦えないところも大いにありました。そして、2失点もしてしまいました。しかし、それでも2点を取り返して同点に追い付く事ができました。これは間違い無く日本の底力だったように思います。アメリカがあれだけ攻めながら、3点、4点、と決め切れなかったのは、不運だったという事だけではなく、最後の部分でのテクニックが不足していたからだと思います。

逆に日本は、あれだけ劣勢にありながら、2得点を奪いました。それは、宮間、澤、この2人のテクニックが最後のところで威力を発揮したからだと思います。アメリカのDFにはやはりパワーとスピードがありましたが、テクニックという部分では不足していました。それがPA内でのバタバタした守備に表れていたように思います。

そして、2失点はしてしまいましたが、日本の守備というのは落ち着いてしっかり対応できていたように思います。どうしてもパワーとスピードに対応し切れない、という部分は否めませんでしたし、また、それが失点の直接的な原因であったとは思いますが、しかし、今の日本選手の個の力で可能な合格点の守備というのはできていたように思います。

パワーとスピードのアメリカ。テクニックと運動量(スタミナ)の日本。それが結果と内容の両方によく表れていたような試合でした。PK戦では日本の圧勝でしたが、テクニックと運動量(スタミナ)に優れる日本の方がそういう結果を出せたというのは、とても納得できる部分だったと思います。そしてそれはドイツ戦でも同じ事が言えたように思います。

これで女子サッカーが少し変わるのではないかと思います。今までは、とにかくパワーとスピード、そして、高さ、それでどれだけ相手を上回れるのか、そこだけが勝利のポイントでしたが、これからはその流れが少し変わるのではないかと思います。パワー、スピード、高さ、それだけではなく、テクニック、運動量、それも必要だという事が女子サッカーの中に生まれてくるのではないかと思います。