悲願の初優勝を遂げた長谷川徳海(左)と井上真弥(右)。昨シーズンは2位5回。精神的な脆さもあったが、成長を遂げた結果を開幕戦にみせた (撮影:野原誠治)

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 ビーチバレー国内ツアー、東京オープン最終日は8日、お台場海浜公園(東京都)にて男女とも3位決定戦、決勝戦が行われた。

 女子は、予選会で今季ツアーのシード権を勝ち取り、開幕戦から決勝に駒を進めた金田洋世・村上めぐみ組(三井企画(株)上越マリンブリーズ)が、昨季女王の田中姿子(エコ計画)・溝江明香(産業能率大)組を破り、優勝。

 男子は井上真弥・長谷川徳海組(フリー)が、西村晃一・ケーシー・パターソン組(WINDS)をフルセットの末下し、結成2年目にして悲願の初優勝を遂げた。

 3位には保立沙織・宮川紗麻亜組(フリー)、白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)・今井啓介(フリー)組がそれぞれ入った。

 最終日の最終試合、男子決勝は、最後の日となりようやく空が晴れ渡り上昇した気温と同じく熱い戦いとなった。

 身長201cm、ワールドツアーでも9位に入った実績のあるケーシーのブロックと正確なトスアップに翻弄され、悲願の初優勝を狙う井上・長谷川は第1セットから落としてしまう。身長の低い西村のアタックに対し、長谷川がブロックに跳ぶも「前半はタイミングが遅れていた」と止めることができない。さらに、ブロックに跳ぶ長谷川の後ろに効果的にショットも決められ、昨季は2位が5回、「もう2位は飽きた」(井上)と話すペアに、またも…の思いが過ぎる。

 しかし、第2セット。長谷川の跳ぶタイミングが合いはじめる。ブロックでポイントを取るとオフェンスも冴え、スピードのある攻撃、ツーアタックも決まり、試合の流れを引き戻す。

 今週末、お台場のビーチを沸かせ続けるケーシーの派手なパフォーマンスにも対抗。スパイクを決めるたび観客を煽り、スタンドはヒートアップ。終盤には187cm、長谷川のスパイクがケーシーのブロックを撃ち抜き、セットを取る。

 流れを掴んだまま最終セット。試合をリードするが、中盤、審判のジャッジをめぐり幾度も相手チームから抗議、中断。自らに不利と思われる判定もあったが、井上・長谷川はまったく揺らがなかった。「昨年はそれで取りこぼしていたことはわかっている。逆にそうなった(動揺する状況)時点で勝つと思った」(井上)、「これは試練です(笑)」(長谷川)と意に介さず、西村・ケーシーを突き放した。

 昨シーズン、あと一歩のところまで進みながら、涙をのんでいた井上・長谷川。技術的に完敗した試合もあり、相手の術中にはまり、落としたゲームもあった。目標とするオリンピックは、昨年末、日本代表としてアジア大陸1次予選を戦い、勝ち抜いたが、今季の強化指定選手からは外されてしまった。

 しかし、この初優勝で状況は変わるだろう。2つの強化指定チームを破り、「世界では当たり前の高さ」(井上)と技術のケーシーをも倒した。井上は「ようやくスタートラインに立てた。これから上を目指すことができる」と話す。2人は、砂と汗にまみれた身体で何度も抱き合っていた。

結果は次の通り。
□女子決勝
田中・溝江 0 (26-28,14-21) 2 金田・村上
□女子3位決定戦
保立・宮川 2 (21-18,21-19) 0 山田・幅口
□男子決勝
西村・ケーシー 1 (21-17,11-21,12-15) 2 井上・長谷川
□男子3位決定戦
長谷川・畑辺 1 (21-15,13-21,12-15) 2 白鳥・今井

■今季からの新ペアで男子3位に入った白鳥勝浩・今井啓介
何とかギリギリ勝てて良かった。反省点ばかりだが1試合ごとに成長はある。まだスタートに立ったばかりなので、もっとトライしていく。

■ワイルドカードで出場し3位、保立沙織・宮川紗麻亜
(大会を通じて)格上のチームに対して挑戦できた。ミスを恐れていては後悔すると思って、色々試していた。ダメだったらダメで、通じたらラッキーぐらい気持ちで(笑)(取材・文=小崎仁久)