MOTULサーキットレディの青山イリス
「MOTULサーキットレディ」として二年目のシーズンを迎える青山イリス。5月に22歳の誕生日を迎える彼女は、フランス人の父と日本人の母を持つ。見るからにハーフというヴィジュアルだが、趣味は渋く、寺社めぐり。特技となると、空手。しかも黒帯だというから驚きだ。プロフィールの一片を聞くだけで、興味をそそられる女の子である。

そんな彼女がレースクイーンを目指したのは一昨年のこと。「友達の誘いでモデル業を始めたんですが、その延長で東京モーターショーに出演したんですね。そうしたら、とある携帯サイトのキャンギャル特集に私が掲載されたんです。すると、その中にとても綺麗な人がいたので、どういう方なんだろうと調べたら、以前レースクイーンをされていた方で、とても人気があったことが分かったんです。それで私も目指そうと思いました」。

と決心はしたものの、レースの知識がまるで無かった彼女。そこで周囲のアドバイスに従い、日本で最も集客のあるレース「SUPER GT」に参戦している「NISMO」のオーディションを受けることにした。しかし「NISMO」は日産系チームの中でも名門中の名門。レースクイーンも歴代人気者を輩出しているだけに、受かるのは容易ではない。何か具体的な策を講じたのだろうか?「絶対受かりたいと思ったので、レースやチームのことを必死に調べました。あと言葉づかいにも気をつけて、とにかく集中するようにしていました。でも、結局はMOTULさんの本社がフランスにあるので、それが私にとってラッキーに働いたのかもしれません」と謙遜してみせた。

青山イリス 青山イリス 青山イリス
MOTULサーキットレディとして活躍を見せる青山イリス

そして晴れてレースクイーンとなった青山イリスだが、第3戦のマレーシアで忘れられない体験をしたという。「前日に生焼けの鶏肉を食べてカンピロバクターになっちゃったんですよ。お医者さんには強く止められたんですが、マレーシアのセパンサーキットはMOTULのホームサーキットなので、グリッドウォークは私が歩くって最初から決まっていたんですね。どうしても欠席できなかったので、抗生物質などを貰って行くことにしました」。しかし、彼女に降りかかった災難はこれだけではなかった。

青山イリス 青山イリス 青山イリス
青山イリスの趣味は渋く…寺社めぐり。特技となると、空手。しかも黒帯だというから驚きだ

「ただでさえそんな体調なのに、行きの飛行機の中で持病のヘルニアが出ちゃったんです。かなり重症で歩けなくなってしまい、本当にボロボロの状態でした」。サーキットまで救急車で搬送された彼女は、医務室で治療を受けることに。そこで現地マレーシア人スタッフの温かみに触れたという。「医務室で診察や治療をして頂いた時もそうだったんですが、マレーシアの方って本当に親身になって看病してくれるんですよ。なんて暖かいんだろうと感動しました」。少し動けるようになった後も、現地スタッフは彼女をバイクに乗せるなどしてサポート。献身的な周囲の支えがあり、なんとかグリッドを歩ききることが出来たという。

そんな忘れられない体験をした彼女に今年の抱負を聞いてみた。「シーズンオフの間に徹底的にウォーキングの練習をしました。今年のセパンのグリッドウォークでは、体調を万全にして、カッコよく歩きたいと思います。それが昨年、私のことを支えてくれた現地の方々へのご恩返しになると思うので」。

間も無く二年目のシーズンを迎える青山イリス。今からセパンサーキットのグリッドを歩く姿が目に浮かぶ。

(文・写真/矢沢隆則)

■関連サイト
【フォトギャラリー】青山イリス - livdoor SPORTS
青山イリス - 公式ブログ
MOTUL - 公式サイト
スリーライズ - 所属プロダクション - 公式サイト