フランスのベッソン産業・エネルギー・デジタル経済担当相は28日、ラジオで東京電力から支援の要請があったと発表した。同氏によると、東京電力はフランス電力公社(EDF)、アレバ、仏原子力庁(CEA)に支援を求めたという。

 このニュースはフランスで各メディアが報じている。仏ルポワン紙は、ベッソン氏が「現場は危機的状況で、大変深刻。発生から現在までに、東京電力による事態の収束がならなかったと理解している」と語ったと伝えている。これを受け、アレバ社は、放射能汚染された水の処理の専門家を日本に向け派遣する。

 フランス政府とアレバは原発事故後、いち早く防護服やホウ酸などを日本に向けて送った。また汚染された場所で作業を代替するロボットの貸し出しも同時に申し出ていたが、当時の状況では効果がないという理由で日本側から拒否されたと21日付の仏フィガロ紙が報じていた。

 今回、改めて日本がフランスに支援を要請したと伝える記事のコメント欄には、「1週間ほど前、今回の支援で送られる予定のロボットの貸し出しを申し出たのに、日本は現場でロボットを試すこともなく、特に有用でないという理由で断った」「東京電力は、ようやくフランスの原子力技術が必要と考えたようだ」など、東電の事故対応の甘さなどへの批判が見られる。

 今回の事故で漏れ出した放射性物質は世界各地で検知され始めており、もはや日本国内だけの問題ではない。「福島原発事故の収束に向けては、国は関係なく世界中が収束に向けて協力するべき」といった意見が上がっているほか、技術大国として名高い日本に「フランスの原子力技術の高さを見せるチャンスでもある。収束に向けフランスも全力で支援してほしい」と、収束を願うコメントが寄せられている。(編集担当:山下千名美・山口幸治)



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