歴代最年少の46歳で内閣の要・官房長官に就任した枝野幸男氏。行政刷新相として臨んだ事業仕分けで成果を残せず、幹事長として参院選に大敗するなど、「政治力」には疑問符が付くが、枝野氏にとってそれは大問題ではないのだろう。なぜなら、自ら繰り返す政治家としてのアピールポイントは「クリーン」に尽きるからだ。そこで本誌は、同氏の政治資金が、どのように「クリーン」なのか検証した。

枝野氏の政治資金の“財布”は、政治団体『アッチェル・えだの幸男と21世紀をつくる会』だ。個人献金はここに集まっている。

その中に毎年決まって大口の献金をしている夫婦がいる。枝野夫人・和子さんの両親だ。岳父の西坂信氏は第一東京弁護士会の副会長を務めた経験を持つ大物弁護士である。

官報で報告書を辿ると、枝野氏が和子さんと結婚した1998年に、岳父の西坂信氏が120万円、姑の政子さんが150万円と2人で270万円を寄附。その後も毎年絶えることなく続いており、最近3年間(2007〜2009年)は2人で毎年300万円を献金している。10年間の献金総額は、2650万円にのぼる。

献金のやりかたも決まっている。岳父は毎月10万円ずつ寄附する「仕送り型」で、それに30万円を1回追加する。姑は「ボーナス型」で、毎年7月に100万円、12月に50万円を寄付している。

可愛い娘婿の政治活動を応援する、いわば「子ども手当献金」だろうか。しかし、2650万円といえば立派なマンションが買える金額である。

一般に、生前の親から子に資産が移る場合、「贈与税」の対象になる。

親から子に2650万円が渡されたケースの「贈与税」の額を、税理士の浦野広明・立正大学法学部教授が試算する。

「過去10年間の寄附が贈与だったら、と仮定して計算すると、10年分の贈与税総額は163万5000円です。しかし、税法では、あらかじめ贈与総額を約束したうえで分割して受け取った場合、総額を一度に受け取ったとみなされる。このケースなら885万円の贈与税が発生します」

しかし、である。枝野氏のように、最初から政治献金として政治団体に届けていれば、課税対象にはならず、贈与税はゼロ。しかも寄附した側は「寄附控除」で税金の還付を受けることもできる。

もちろん、政治献金は政治活動以外には使えないから、枝野氏は義父母からの2650万円を私的な出費に充てることはできない。だが、枝野氏は収入の大半を自身の政治活動に注ぎ込んでいるから、義父母からの献金は、枝野氏本人の出費を軽減して私生活を支えていると見ることもできる。

※週刊ポスト2011年2月11日号




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