3Dテレビのラインアップを拡充!32型まで投入したソニーの真意【ITフラッシュバック】
2010年は映画ではアバター、アリス・イン・ワンダーランドといった3D映画が人気が高く、NTTドコモのスマートフォンではGALAXY SとLINX 3Dがデットヒートを繰り広げるなど、3Dが注目されている。その一方で、11月にエコポイント特需で過去最高の販売台数を記録した地デジ対応テレビだが、3Dテレビの盛り上がりは、これからという印象だ。

ソニーは2011年1月20日、3Dテレビ「3Dブラビア」のラインアップを拡充した。今回のITフラッシュバックでは、ソニーから新しく登場した3Dブラビアを掘り下げてみよう。
ソニーが新たに投入する3Dブラビアはスタンダードモデルで、狭額スタンダードモデル「EX720シリーズ」(60V型、55V型、46V型、40V型、32V型)とスタンダードモデル「EX72Sシリーズ」(46V型、40V型、32V型)の2シリーズ7機種と、大幅にラインアップを拡充することになる。それまでは、顔認識付き高画質モデル「LX900シリーズ」(60V、52V、46V、40V)、直下型LED高画質モデル「HX900シリーズ」(52V、46V)、スリムフレーム高画質モデル「HX800シリーズ」(46V、40V)、BD内蔵モデル「HX80Rシリーズ」(55V、46V、40V)と4シリーズ10機種をラインアップしていたが、どれもが高画質タイプのため、より買いやすいエントリーモデルへラインナップを広げたこととなる。

それまでも、パナソニックが2シリーズ8機種、東芝が4シリーズ8機種、シャープが2シリーズ6機種より、多くの機種を投入してきたソニーが、さらにラインアップの多さで差別化を図る構えだ。いくら年末商戦で3Dテレビが好調だったというソニーだが、これだけ拡充しても大丈夫なのだろうか。

2010年の薄型TVは前年比95.9%増とエコポイント制度の影響を大きく受けた(GfK Japan「第7回 GfK Certified」より)。その一方で、40インチ以上の薄型TV販売台数を見ると、3D対応モデルは昨年11月の段階で12.8%と、やっと10%を上回った程度(GfK Japan「2010年11月エコポイント対象製品販売動向(2010年12月2日発表)」より)で、決して好調とはいえなかった。しかし、2010年12月には、40インチ以上での3D対応モデルの販売台数が薄型TV全体の2割程度まで、急激に伸び始めてきた。
メーカー別では2010年通期でシャープが37%のシェアで7年連続首位、東芝が2位に浮上し、パナソニックが3位となり、それにソニーが続くこととなった。挽回するためには3Dの急激な伸びに便乗しない手はない。

さらにサイズ別の販売台数を見ると、薄型TVの35〜40%程度は30インチ台で、40インチ台は20%台しかない。アナログ停波に向けて1台目テレビの買い替えから、2台目以降の買い替えにシフトしてくるようで、特に小型の伸びが高いのだ。そう、それまで3D対応テレビを投入してこなかった30インチ台に期待がかかる。
ソニーのラインアップを見ても、32インチがラインアップされていることが、ソニーのしたたかな戦略が見え隠れしてくる。

シャープが液晶テレビで他社に先行してイメージ戦略を仕掛け、液晶テレビでイメージリーダーになったように、ソニーも3Dのラインアップを充実させ、3Dテレビで主導権を取りたいのだろう。2Dテレビでは他社に一歩遅れたソニーだが、3Dテレビのラインアップの拡充により、一気に巻き返す可能性も出てきた。

ソニー

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