高校サッカー。準々決勝である。
三ツ沢は久御山×関大一、滝川二×日章学園という顔合わせだ。
個人的には関東以外を見られるのが嬉しい。
8強の配分は関東3校、関西3校、中国1校、九州1校だ。

久御山は大晦日の三ツ沢で1回戦を見ている。
勝ち上がってくると分かっていれば1回戦は他会場にしたのに!
中京大中京、座間、那覇西を連破して国立まであと1勝だ。
関大一高は昨年の4強。
青森山田を追い詰めた準決勝は大会屈指の好勝負だった。
昨年のメンバーがかなり残ってい。
今日のスタメンを見ると昨年の準決勝でプレーした選手が6名いる。
1年生を2人起用しているも注目だ。
天野慎はセレッソ大阪U-15西の出身。
昨冬の高円宮杯では主力として活躍していた。
天野慎、河面旺成と1年から強豪校でポジションを確保してますね。

京都府立久御山高校
GK  1 絹傘新   3年 178/74
DF  3 松下千馬  3年 177/62
   13 山本大地  3年 177/68
    4 塚本健介  2年 182/70
   22 山田修市  3年 177/60
MF  6 二上浩一  2年 175/68
   14 足立拓眞  3年 172/57
   23 林祥太   1年 171/57
FW 20 鍋野光希  3年 165/58
   11 安川集治  3年 183/74
   10 坂本樹是  3年 170/56

−-坂本−−−-安川-−−−鍋野-−
−−−−−−−-林-−−−−−−−
−−−−−足立−−二上−−−−−
−山田−−塚本−−山本−−松下−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−絹傘−−−−−−−

関西大学第一高校
GK  1 樫根啓人  3年 185/73
DF  6 撫養和也  3年 178/70
    2 今井亮介  2年 183/69
    4 水田優輝  3年 178/71
   21 田中健太  2年 176/64
MF  5 濱野友旗  3年 172/56
    3 天野慎   1年 170/57
    7 浅井哲平  3年 172/62
    9 梅鉢貴秀  3年 175/64
FW 10 井村一貴  3年 172/68
   13 徳永雄大  1年 165/53

−−−−−−−井村−−−−−−−
−−−−−−−徳永−−−−−−−
−浅井−−天野−−梅鉢−−濱野−
−−-田中−水田−今井−撫養-−−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−樫根−−−−−−−


関大一高は昨年と同じシステムだ。
4バックの間隔が狭くボールサイドに詰める。
ボールと反対側のサイドハーフが最終ラインまで戻る。
一旦引いてから相手を捕まえに行く。
今日はどうもプレスの開始位置が低い。
サイドハーフの「戻り」はあるけど「上がり」が乏しかった。
序盤は久御山がボールを保持。関大一がカウンターで応戦する展開だ。

9分、関大一は梅鉢貴秀が相手のクリアを拾ってドリブル。
左中間からエリア内に切れ込む。左足シュートは枠外。

16分、関大一は井村一貴が相手のパスをカットして左に開く。
浅井哲平は縦に抜け出して折り返す。
井村がエリア内に飛び込んだけど合わない。

20分、久御山は二上浩一が縦に当てる。
林祥太が右に落とす。足立拓眞はエリア右にスルーパスを入れる。
鍋野光希が右中間に抜け出してシュートを狙った。
これはGK樫根啓人がブロック。

23分、久御山は右CKを足立拓眞が左足で入れる。
塚本健介が真正面から高い打点でヘッドを叩き込んだ。
<久御山 1−0 関大一>

久御山が高さで先制した。
上手いだけのチームではない。
安川集治、塚本健介と前後にパワフルな選手がいる。

26分、久御山は左CKを坂本樹是が右足で入れる。
山本大地のヘッドは合わない。
足立拓眞がエリア右で「流れ」を拾ってドリブルシュート。枠外。

前半40分は久御山が1−0とリードを守って終了する。
正直もどかしい展開だった。お互いに腰が引けていた。
久御山の保持率はかなり高かったと思う。
関大一は相手のボランチにボールが入るまでプレスに行かない。
だから久御山のCBは自由にボールを持てた。
でもフリーなのにボールを運ばない。
彼が持ち込めば別の味方が空くのに!
あとボールの動かし方が「立体的」でない。
相手がボールサイドに喰い付いてきたら逆サイドに振ればいい。
でも久御山は全くサイドチェンジを使わない。
そういうキック力を持った選手がいないのかもしれないけど…。

関大一は意図せず守備的に「なってしまった」んだと思う。
佐野友章監督がベンチから激しく叱咤していた。
果たして関大一はハーフタイムに手を打ってきた。

40分、関大一は徳永雄大→小畑善孝。
布陣がこうなった↓
−−−−−−−井村−−−−−−−
−−浅井−−−濱野−−−小畑−−
−−−−−天野−−梅鉢−−−−−
−田中−−水田−−今井−−撫養−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−樫根−−−−−−−


関大一はプレスの「掛け始め」が高くなる。
得意の走力で挽回し始めた。

43分、関大一は樫根啓人が左サイドにゴールキック。
井村一貴がルーズボールを外に叩く。
浅井哲平はエリア内にドリブルで突っ掛ける。
DFにブロックされたこぼれ球を小畑善孝が落として…。
梅鉢貴秀のミドルは枠内だったけどGK絹傘新がキープした。

後半は梅鉢貴秀が前に出てきていた。
鹿島に内定している有望株だ。
持ち味は運動量と両足の高質キックである。

51分、関大一は浅井哲平がドリブルから井村一貴とワンツー。
浅井はエリア左からシュートを狙うが弱い。

関大一の速攻を支えたのが浅井哲平と井村一貴。
浅井はボールを運ぶ、抜く部分で貢献が大きかった。
相手の逆を取るドリブルがかなり有効である。
井村一貴はスピード&パワーの突貫系。
裏への抜け出し、球際の競り合いで威力を発揮した。
彼のチェイシングが「美味しいセカンドボール」を産む。

51分、久御山は塚本健介に警告。
井村一貴に対する対応。

53分、久御山は相手のセットプレーからカウンター。
足立拓眞が中央を持ち上がって左に叩く。
坂本樹是はドリブルで切れ込んで詰まる。
安川集治がこぼれ球からシュートを狙う。
決定的だったけど関大一DFがブロック。

54分、関大一は梅鉢貴秀に警告。

56分、関大一は梅鉢貴秀が中央をドリブルで切れ込む。
DFのクリアは変なスピンで横に飛んでしまう。
井村一貴がルーズボールに反応してエリア右からシュート。
ループ気味の軌道でGKの頭上を破った!
<関大一 1−1 久御山>

61分、久御山は坂本樹是→沼田俊吾。
沼田はそのまま左ウイングの位置に入る。

66分、久御山は山本大地に警告。
浅井哲平の突破を「削って」しまった。
山本は今大会2枚目の警告。
準決勝に勝ち上がっても出場停止だ。

68分、関大一は濱野友旗が相手のパスをカットして左に叩く。
梅鉢貴秀は縦にフィードを入れる。
井村一貴が相手CBと競りながら強引にフィニッシュへ持ち込む。
しかしドリブルシュートは枠外。

71分、久御山は沼田俊吾が左から中に当てる。
林祥太は外に開く。足立拓眞がエリア左に抜け出してシュート。枠外。

75分、関大一は撫養和也が右サイドを攻め上がって折り返す。
井村一貴はニアでボールに身体を入れる。
DFに対応されて前を向けなかった。

77分、久御山は鍋野光希→東松孝治。
久御山の最終布陣がこう↓
−-沼田−−−-安川-−−−足立-−
−−−−−−−-林-−−−−−−−
−−−−−東松−−二上−−−−−
−山田−−塚本−−山本−−松下−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−絹傘−−−−−−−


78分、久御山は松下千馬が右サイドから折り返す。
安川集治のボレーはゴール左のいいコースに届く。
決定的だったけど関大一のCBが背中でブロック!

80分、関大一は樫根啓人が前線にゴールキックを入れる。
濱野友旗がヘッドを競って前に落とす。
小畑善孝は体勢を崩しながらバイシクルを狙う。
このシュートは久御山DFに当たって外。

後半はお互い攻めに出て活発な攻防だった。
ただどちらも決め手なく1−1でタイムアップ。
ベスト4、国立行きはPK戦の結果へ委ねられることになった。

PK戦の先攻は関大一高。
関大一1本目。井村一貴が成功。
<関大一 1−0 久御山>
久御山1本目。山田修市が成功。
<久御山 1−1 関大一>
関大一2本目。撫養和也が成功。
<関大一 2−1 久御山>
久御山2本目。塚本健介のキックは左ポストに弾かれる。
<関大一 2−1 久御山>
関大一3本目。浅井哲平のキックも左ポスト。
<関大一 2−1 久御山>
久御山3本目。山本大地は左下に成功。
<久御山 2−2 関大一>
関大一4本目。濱野友旗が成功。
<関大一 3−2 久御山>
久御山4本目。二上浩一が成功。
<久御山 3−3 関大一>
関大一5本目。梅鉢貴秀が右に狙ってコースがやや甘かった。
GK絹傘新はナイスブロック!
<久御山 3−3 関大一>
久御山5本目。安川集治が左下にきっちり成功!
<久御山 4−3 関大一>

久御山がPK戦を4−3と制してベスト4進出決定!
5回目の選手権出場で国立はもちろん初。
準決勝の相手は流通経済大柏となった。
この両校は昨年の高校総体で対戦している。
5−0という「夢のスコア」で久御山が勝った。
ただ流経は食中毒の影響があった。

久御山は攻撃に中京大中京戦に比べて迫力を欠いた。
関大一のDF力が高いから中央突破は容易でない。
ただ中盤3人が絡むパスワークはやっぱり彼らのストロングポイントだ。
持ち味の違うFWがいて「選択肢」も選びやすい。
安川集治は強さがあって強引にフィニッシュへ持ち込める。
坂本樹是は相手をいなす、キープする技巧が卓抜。
鍋野光希は今日不発だったけど突破力を秘めている。
今日は相手が引いたからSBの攻撃力も生きた。
山田修市は「第3ボランチ」的な動きが面白い。
中に絞ってセカンドの回収で貢献し、ビルドアップも的確だった。

久御山の楽しいサッカーがベスト4に届いたことは痛快事である。
ただ次戦はおそらく厳しい。
流経は「戦闘力」が違う。プレスが厳しく、球際もタイトだ。
中途半端な強さ、精度でキックを蹴ると「奪いごろ」になる。
「久御山スタイル」がどこまでやれるか?
期待3割、不安7割くらいの心理である…。

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