担当M(以下M):Jリーグが再開して、いよいよタイトルや残留に向けて一直線の戦いが始まりました。

ラモス(以下R):楽しみだし、ここからそれぞれのチームに奮起してほしいですね。僕がちょっと近ごろ残念なのはライバル関係が薄れてしまっていることです。強烈なライバル関係が出てくるくらい劇的な戦いをしてほしいと思っています。

M:Jリーグが始まったころは、アマチュアリーグ時代終盤から続いたヴェルディとマリノスの強烈な対抗意識がありましたよね。

R:今では『ダービー』という名前を付けている試合がたくさんあります。神奈川ダービー、静岡ダービー、大阪ダービー……でも、本当にライバル関係が強烈なのか、ちょっと判断できない戦いがありますね。サポーターは盛り上がっても、選手がどこまで意識しているのかわからない。気持ちを前面に出して戦う試合になるような、そんなゲームができるライバル関係ができるようになってほしいと思っています。

M:人気・実力ともにトップクラスのチーム同士がぶつかる、『ナショナル・ダービー』という名前が付けられるような試合をみたいですね。

R:ヴェルディとマリノスの後には、鹿島対磐田、浦和対G大阪という構図があったと思います。ですがどれもライバル関係が短期間で終わってしまった。いろんなチームが強くなるのは悪くないけど、特別な関係にある2チームの戦いという雰囲気も素晴らしいんです。そんなライバル関係が残りの試合で生まれてほしいんですよ。

M:J2では昇格争いが佳境に入ってきました。

R:ひいき目を抜きにして、僕は東京Vがとてもよくやっていると思います。正直に言えば、シーズンが始まる前には10位以内に入るぐらいだと思ってたんですけどね。練習を見に行った時は15、6人しかピッチにいなかった。ケガが5人いて、若い選手は高校に行っているから練習に参加できないんです。そういう状態が数週間続いたのに、それでも昇格争いに絡んできている川勝監督の手腕は素晴らしいし、選手は他のチームから声を掛けられても来年があるかどうかわからないクラブに残ってくれたハートを持っている。彼らを見ていてもこの名門クラブを潰しちゃいけないと思います。

M:スポーツ用品・衣料品販売の「ゼビオ」がサポートすることになって存続が確定しました。3位以内に入られれば昇格もできます。
R:うれしいですね。僕はクラブスタッフが影で必死にチームを支えているとしている姿を知っています。彼らがいる限りいつか名門が復活してくれると思いますよ。(了)