尖閣諸島周辺の領海を中国漁船が侵犯して、海上保安庁の巡視船に衝突、公務執行妨害の疑いで漁船長を逮捕した事件で、中国の世論は、日本を武力攻撃せよなどという勇ましい声も挙がっている。しかし、中国のブロガーの中には冷静な観点の筆者もいるようだ。

 尖閣諸島を武力で奪還すべきだと考える愚か者が極めて多い。彼らの最大の特徴は、自国の指導者が賢明だとの認識を持っている点だ。彼らが尖閣諸島の武力奪還を支持する理由は3つ。まず、米国が日本のために中国と開戦することなどありえない。次に、米中開戦となった場合、米国が払う代価は大きすぎる。最後に、核兵器を保有する中国に立ち向かう勇気を米国は持ちえない。

 最初の理由、「米国が日本のために中国と開戦することなどありえない」について。日本は米国の「従者」であり、米国は日本に駐留軍を置いている。日本の法律によると、尖閣諸島は日本の領土である。誰かが同地を奪取した場合、米国が介入しなければ、米国の面目はつぶれ、米国と同盟を結ぶことを望む国家は皆無となる。米国は孤立無援になり、米国の臆病さを知った多くの小国は、もはや米国の言いなりにはならないだろう。

 2番目の理由、「米国が介入した場合、払うべき代価が大きすぎる」については、多方面から検討の余地がある。まず世論。中国が武力を行使して尖閣諸島を奪取しようとした場合、国連での同意が得られない場合は、「違法な武力行使」となる。中国が自国領土を守るための戦争だと主張しても、長年日本の固有領土であった尖閣諸島について、今更何をかいわんやとなる。かたや米国は、平和を守り、違法は武力介入を阻止するという大義名分を笠に着て正論を唱えるだろう。こうなると、世論では中国は米国に遠く及ばない。また、経済面を見ると、経済が落ち込み続ける現状下で、米国は中国と戦うことはできないという意見がある。しかし、米国の景気後退と言っても、米国は自国の過去と比べているだけで、中国と比べると、米国の豊かさはほとんど変わっていない。中国が拠出可能な金を米国が出せないということはありえない。

 最後の理由「核兵器を保有する中国に立ち向かう勇気を米国は持ちえない」は、最も不合理だ。ある農家の息子が、自分の父親がどんなに強いか吹聴し、現地やくざの親分でさえもその父親を恐れたという話がある。多くの人は、小柄でやせっぽちな彼の父親がどうしてそんなに強いのかを不思議に思った。父親の秘密兵器は何かと息子に問い詰めたところ、息子はついに本当のことを打ち明けた。父親と親分との間にいさかいが起こった時、父親が自宅台所から包丁を持ち出し、親分宅の玄関で外に出てくるのを待ち伏せ、彼の後頭部に一撃を食わせれば、親分は一巻の終わりとなるに違いないと考えただけだった。

 中国の核兵器は、農家の包丁そのものだ。理屈では、包丁が親分の後頭部を直撃すれば、親分は間違いなく即死する。しかし、実際に行動に移すとなると、「自分の命と引き換え」という覚悟が無い限り、親分に包丁を向ける勇気がある人は、一体どこにいるのだろうか。

 核兵器は、「自分の命と引き換え」という覚悟があって初めて、威力を発揮する。中国は国が滅びない限り、核兵器を使うことはない。尖閣諸島と国の命とを引き換えることはありえない。このような状況においては、核兵器など取るに足らない存在といえよう。(編集担当:松本夏穂)■最新記事
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