日本の犬にも「格差」がありそうだ

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   「動物愛護センター」という名は、こうした施設に本当に合っているのだろうか――。雑誌「AERA」記者・太田匡彦氏は、2008年10月上旬、一般的に「動物愛護センター」や「動物指導センター」などと呼ばれる、関東地方のとある犬殺処分施設を訪れた。そこで目にしたのは、いくつかの部屋に十数匹ずつ収容された犬たちの姿だ。中にはハーネスをしたままの犬もおり、記者に寄ってきてシッポをふる愛らしい犬もいたという。彼らは、一日ごと隣の部屋に移されていき、最後は「殺処分」されてしまう。

   こうした例は、毎日、全国で繰り返されており、環境省によると、2008年度に全国の地方自治体に引き取られた犬は11万5797匹(負傷犬を含む)。うち、他殺処分される犬は年間8万匹を超える。

    いったい、なぜこうした状況を招くのか。「AERA」の取材に、全国ペット協会の太田勝典副会長は、「一部ペットショップにおける販売する際の説明の不十分さが、飼育放棄につながっているところがある。いいことしかいわないから、買った後にミスマッチが起きるのです」と語った。ペットを飼う側のモラルもそうだが、生産・流通業者や行政も一緒になって、はかない命を殺処分へと追いやる構造が現実としてあるのだ。

   太田記者こん身取材の成果は、朝日新聞出版から2010年9月17日発売の単行本『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(四六判並製、176ページ。定価1260円)として世に示された。

   自身も愛犬家という太田記者は、あとがきの中で作家・中野孝次氏(故人)の言葉を紹介している。

   「犬もまた地球上に生きる一つのいのちである。しかも、何千年来の人間の親しい友である。その親しいいのちへの想像力と共感を失うとき、人は人としてダメになってしまうにちがいない」<モノウォッチ>

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