担当M(以下M):Jリーグも折り返しを過ぎてもうしばらくするといよいよ終盤戦です。リーグ戦開幕前のラモスさんの予想(第29回・第30回)がどうだったか、ここで一度中間決算をしたいと思います。

ラモス(以下R):大本命に挙げておいた名古屋の調子が良くてうれしいですよ。チームの方向性を理解してちゃんと補強したことが成績につながっていますよね。それに、ストイコビッチ監督にちゃんと時間を与えていることも重要だと思います。どんなに選手が揃っていても、チーム作りには時間がかかるんです。それをクラブが理解していることが重要なんですよ。G大阪も清水も同じように理解していると思います。

M:浦和もいろんな批判を浴びながら監督をじっと守っていますよね。

R:浦和は長谷部や闘莉王がいなくなったのに、彼らに代わる即戦力を取らなかったのが大きかったと思いますね。あとはストライカーというタイプの選手が出てこないと苦しいでしょうね。エジミウソンはチームのために全力を尽くしていますけど、ストライカーに分類できるプレーヤーじゃない。エジミウソンは清水の岡崎と同じように自由にやらせたほうがいいんじゃないかと思いますけどね。

M:ラモスさんが推していた川崎はシーズン途中にレギュラーのストライカーが2人とGKが抜けてしまいました。

R:川崎は高畠監督に代わったけど、ずっとコーチだった人物が昇格したということで方向は変わっていませんから期待しているんですが……。まさか、という感じでしょうね。でもジュニーニョが戻ってきましたから、まだわかりませんよ。

M:鹿島はどうでしょうか? しぶとさは変わっていませんよ。

R:十分に4連覇する力はあります。終盤の強さは鹿島が一番ですからね。名古屋が今鹿島との差を広げておかないと、鹿島は最後に追い上げますよ。だけど、サッカー界全体のことを考えると、そろそろ……という感じもします(笑)。

M:昇格組のC大阪は大躍進しています。

R:最初は8位ぐらいにはなるんじゃないかと思っていたんです。それに途中で香川もいなくなったから苦しいんじゃないかなって。だけど十分に練り上げられたチームだったから、誰かがいなくなってもカバーできていますね。クルピ監督の見事な手腕が現れています。

M:苦しいんじゃないかと予想していた新潟についてはどうでしょう?

R:正直に言えば意外でした。守備陣が薄いからケガ人が出たら大変じゃないかと思っていましたし、実際にシーズン序盤は苦労しましたからね。矢野がいなくなって、またチームを修正しなければいけないですけど、これまでに黒崎監督がみせたチーム作りなら大丈夫かもしれません。

M:木村監督が初めて指揮を執る横浜FMは?

R:まだ今年評価してはならないでしょうね。木村監督は今、チームに何が足りないかじっくり見極めていると思います。そこにしっかりとした補強をして、来年からやっと思い切りチームを作るということになるでしょうね。

M:苦しんでいるチームたちはどうでしょうか?

R:広島がこんなに苦しむとは思っていませんでした。こんなに波があるとは思わなかったですし。だけど9位以下でもがいているチームも、まだわからないですよ。選手層は揃っているけどかみ合ってなかったり、選手のコンディションが整っていなくて勝てなかったりというチームばかりですから、きっかけがあったり選手が戻ってくれば、すぐに浮上してくる可能性があります。順位表もこれからどんどん動くでしょうから、それが楽しみですね。