おもちゃのカメに恋したカメ、唯一いじめない“仲間”が心の拠り所に。

ところが、やってきたティミーをほかのカメたちに引き合わせてみると、ジョイさんが「彼を好んでいないようだった」と語るように、全く仲間に入れなかったそう。それどころか、「(カメたちが)彼をいじめて、闘っていた」というから、完全に孤立した状態だった。疎外され、孤独となったティミーを見かねた世話係は、ある日プラスチック製のおもちゃのカメをティミーのそばに置いたという。
ターニャと名付けられたおもちゃのカメを見つけたティミーは、それ以来「溺愛するように見える」ほど付きっきりになった。常にぴったりと寄り添い、口を開けて首を絡ませんばかりに伸ばしては、ターニャに「鼻をすり寄せ、キスをする」のが当たり前。えさのレタスを食べさせようともするティミーは夜、小屋に入るときも「先にターニャを入れておかないと行かない」ほどだそうだ。
とはいっても、ターニャはおもちゃのカメ。当然、ティミーのアクションに対して反応などするはずもない。それでもターニャが反応しまいが、自分の3分の1程度の大きさだろうが、ジョイさんの目にはティミーが「そんなことは気にしてないように見える」という。「2匹だけでいるときが、彼はとても幸せ」とジョイさんに言わしめるティミー。攻撃をせず、ただ一緒にいてくれるターニャだからこそ、“恋”をしたのかもしれない。