植田真梨恵(撮影:野原誠治)
 2008年1月から6ヶ月連続で配信限定シングルを発売し、翌7月にそれらを収めたファーストミニアルバム「退屈なコッペリア」発売した大阪在住、19歳のシンガーソングライター、植田真梨恵。昨年5月には続くセカンドミニアルバム「U.M.E.」を発売した彼女が6月30日、インディーズで3枚目となるミニアルバム「葬るリキッドルーム」を発売。同作について「誰も心のドコかに隠し持っている、人にはなかなか見せられない秘密の部屋。そこに葬られた感情や背景を詰め込んで切り取ったようなアルバムです。」と語る彼女の素顔に迫った。

――プロフィールを見ると、苦手なものに「仲間意識」と書かれていましたが、例えばどんなことですか?

植田真梨恵(以降、植田):これはただ単に、自分のひねくれている所とか、嫉妬心の強い所だと思うんです。アーティスト側からしたら嬉しいことなんですけど、お客さんとして自分の好きなアーティストのライブを観に行ったら、みんなが「俺らは仲間だ!」みたいな感じになっている空間とかがすごく嫌ですね。「何なんだろう?」といつも思います(笑)。でも、きっと実際に私のライブでそうなっていたら、全然嫌な気はしないだろうなと思うんですけど(笑)。

――ライブ以外に、これまでの学生時代や日常生活でそういうことを感じる場面はありましたか?

植田:何でもそうなんですけど、私も含めて人のこととかも一緒くたにされると嫌で。「そういうのある!」とか言うのも悪くないと思うんですけど、私はそんなに好きじゃないです。

――女子がみんなで一緒にトイレに行くみたいな。

植田:それもすごく苦手でした。「何の意味があるんだろう?」って(笑)。私も意味の無いことは好きなんですけど、派閥とかよく分からない噂とかはすごく苦手でしたね。

――自分の性格を「責任感が無い」と書かれていたのが少々引っ掛かったんですけど。

植田:昔から無くて、本当に辛いです(笑)。

――誰かに言われるんですか? 自分でそう思うだけとか。

植田:言われたことは一、二度あるかもしれないです。ちょっと忘れちゃいましたけど(笑)。結局の所ですごく無責任だなって、自分でも思いますね。良い意味でも悪い意味でも「私一人いなくても」という感覚が常にあるから、根暗なのかもしれないですけど、面倒臭がり屋なんでしょうね(笑)。そこまでは熱中したり、一生懸命に頑張ってやったのに、ワァー!って投げちゃったり。嫌いなものはもう全くダメで、国語とかは好きだから勉強とかそんなにしなくてもいい点を取れたのに、数学とかがリアルで2点とかだったり、好き嫌いが激しいんです。好きという感覚って、すごく曖昧だと思うんですけど(笑)。

――あと、好きなものと嫌いなものの両方に「一人の時間」と書かれていたんですけど。

植田:一見矛盾しているんですけど、一人が好きだし、一人が嫌いなんですね。そういうことって本当に沢山あると思うんです。一人の時間はすごく寂しいというか、色んなことを考えちゃって訳が分からなくなるのが嫌なんですけど、結局はそうやって考えないと曲が出来ていなくて。そうやって向き合う時間があるということを思うと、一人の時間も大好きなんですね。そういう両極端なものが常にあって、戸惑いつつもそういうものが自分の中で本当っぽいと思ったり、人間臭いと思ったり、好きな部分だったりします。

――小さい頃から歌手を目指されたそうですが、歌手以外の選択肢はありましたか?

植田:無かったです。5、6歳の時に卒園式で「歌手になりたい」と発表したんですけど、本当に小さい時から歌うことが好きで。2歳ぐらいからカラオケに連れられて行って歌っていたから、夢と言ったら歌手になることがもうずっと決まった事実みたいになっていました。

――こういうことを伝えたいとか、こういう歌を歌いたいとか、こういう歌手になりたいというイメージはありましたか?

植田:私は何でも、すごく面白くて派手でドーン!と心にそのまま来るものが好きなので、そういう情熱を持った熱い歌を歌う人でありたいなと思いました。

――それは今も変わらず?

植田:変わってないです、全く。