◆いや、しかし力を隠すのは難しいものですね!

この日の日本代表は4-1-4-1のフォーメーション。闘莉王が復帰し、中澤・闘莉王のCBコンビが復活。韓国戦で気を吐いた長友が左SB、今野が右SBに入ります。中盤の底にはアンカーとして阿部ちゃんを起用。遠藤・長谷部がその分ポジションを前目に上げ、両サイドに大久保・本田△が張る形。もちろん1トップはエース岡崎です。

効果的だったのがアンカー・阿部ちゃん。韓国戦でヒョコヒョコ歩いていた中村俊輔がベンチに下がり、今年に入ってずっとキレのない遠藤の守備面での負担が軽減されたことで、チーム全体の動きの量・連動性がグンと上昇。単なるアンカーなら稲本か今野を入れる方がよいのでしょうが、チームの得点源・闘莉王を活かすならこの組み合わせ。阿部ちゃんなら闘莉王が上がったあとのCBのカバーも慣れたもの。結局どこかで闘莉王を上げてパワープレーするんですから、最初から出来るようにしておく、というのは智将・岡田監督ならではの妙案です。

試合が動いたのは前半7分。

右CKから、短いグラウンダーのボールを送り、マークを外した闘莉王が先制点をあげます。闘莉王の動きといい、入れたボールといい、明らかに本番用のデザインプレーのひとつ。これまでも日本は、遠藤・中村俊輔がと中心となってデザインプレーを見せてきましたが、それが世界の強豪にも通用することが確認できました。

↓前半7分、闘莉王先制弾!


これで闘莉王は代表通算38試合8得点!

48試合5得点の大久保さんをはるかに上回る攻撃力やで!

しかし、あまりに早い先制点により苦心する一幕も。本番まで力を隠し、相手を油断させるためには1点が限度。イングランド相手に2点も3点も取れば、対戦国もその映像をチェックするでしょう。山狩りまでして秘密にしてきた日本の力を、ここでアピールするわけにはいきません。その後たびたび訪れるチャンスに、「峰打ちじゃ」と言わんばかりの寸止め攻撃を強いられることになった、岡崎ら攻撃陣の苦労は大変なものだったはず。お疲れ様でした。

結局前半は1-0で終了。少しやりすぎたかな?と心配になるほど、日本はその力を示したのです。これには観戦に訪れていたソラミミスト・安斎肇さんも、体をスイングさせて大喜び。


そして始まった後半。イングランドは後半頭からジェラードらを投入するなど、大量に選手交代。しかしなかなか追いつけないまま、時間が過ぎていきます。苛立ちを募らせるイングランドを尻目に、日本は日本で「勝っちゃうぞ」「ヤバイな」「そろそろ負けなきゃ」と焦り始めます。ついには緊急措置的に、相手のFKに本田△がバレーボールばりのブロックを敢行し、ヤラせPKを献上するインチキまで。しかし、久々の出場でそのへんの空気を読めない男がいたようで…

↓第3GKがせっかくのPKを全力で阻止!


川島の顔が本気すぎwwwwwwwwwwwwww

Perfumeの真ん中の人みたいwwwwwwwwwww



ここまで来るとイングランドの苛立ちも頂点に。本番前に弱小国をボコって気持ちよく大会に行こうとしただけなのに、ハエのようなしつこさでブンブンやられ、逆に負けているという展開。世界の名将カペッロが、試合中に日本・岡田監督にキレるという、まさかの場面も見られました。それはまさに、カペッロが岡ちゃんと同レベルの「スーツ着てメガネかけてるだけの監督」に引き摺り下ろされた瞬間でした。

まぁ日本とて、このまま勝ってしまうのは本意ではありません。イングランドに勝った国と見られれば、せっかくの対戦国の油断が霧散します。ということで、日本のDF陣は不甲斐無いイングランドFWにかわって、必要以上に頑張る川島からゴールを奪うことを決意。後半27分には、闘莉王が美しすぎるダイビングヘッドで本日の2ゴール目奪取。後半39分には、中澤がコースを変えてGKの裏をかく技ありゴール。ルーニーやランパードでもこじあけられなかった川島の守るゴールを、アッサリと攻略して見せたのです。

↓闘莉王のゴールは本大会でもベストゴール級の美しさ!


フライング・ジャポネーゼwwwwwwwwwww

コレ本番にとっとけばYouTubeの中で世界一になれたのにwwww

ようやくの思いで2点を与え、無事に1-2と逆転負けを演じた日本。胸の内に手応えを残し、この日のひとり相撲は終了。「日本のくせにベスト4だってwww」と冷笑するイングランド人に対して、「イングランドのくせに優勝だってwww」と微笑み返しすることに成功したのです。風呂上りのような湯気を上げつつ「楽しかった」とゴキゲンな闘莉王。試合終了後にピッチ脇で全力ダッシュする中村俊輔。雨か涙かメガネを曇らせる岡田監督。日本の各員にとっても充実した一戦となりました。


↓観戦したオシム前監督も日本の出来栄えを高評価!

非常にポジティブな内容だった。70分くらいまでは、どちらが日本でどちらがイングランドか分からないくらいだった。フィジカルが落ちてからは、コレクティブなプレーができなくなってしまった。この場合、ゲームコントロールが鍵となるだろう。それから、(勝つという)意思も大事だ。

イングランド戦後 オシム会見概要  - Yahoo!スポーツ×スポーツナビ - 2010 FIFA ワールドカップ
オ:「どっちがイングランドかわからなかった」
闘:「オレ、イングランドだよ」
中:「オレもイングランドですけど」
岡:「俺もカペッロに並んじゃったのかな(笑)」
岩:「イングランドにはないレベルのオウンゴールでした」

コートジボワール戦もこの調子でひとり相撲をお願いしますよ!

記事をブログで読む