過去にアンデウソンが、柔術ベースのファイターと防衛戦を戦ったのは、昨年4月のターレス・レイチ戦。この時は徹底してレイチのテイクダウンを防ぎ、打撃戦でもリスクを避けてジャブを当てるような距離で戦っていた。加えて、寝技でトップを奪っても、グラウンドに留まることなく自らスタンドに戻る徹底ぶりは、ファンの支持こそ集めることはできなかったが、まさに鉄壁の王座防衛術といえた。

柔術でも黒帯のアンデウソンだが、マイアの強味はテイクダウンでなくて、引き込んでリバーサルからトップを奪うことができる点にある。もちろん、チャンスは決して多くない。それでもはまれば、マイアは一気にタップを奪う力を持っている。

MMAおいて、ほとんどの局面で圧倒的な有利に立つ王者アンデウソンだが、マイアは一瞬の勝機を手にする絶対的な能力を持っている。チャンピオンが圧倒的に有利な二つの世界戦だが、番狂わせがあるならミドル級といえるだろう。

■UFC112「INVINCIBLE」全対戦カードは下記の通り

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]アンデウソン・シウバ(ブラジル)
[挑戦者]デミアン・マイア(ブラジル)

<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]BJ・ペン(米国)
[挑戦者]フランク・エドガー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヘンゾ・グレイシー(ブラジル)
マット・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
テリー・エティン(英国)

<ミドル級/5分3R>
ケンドール・グローブ(米国)
マーク・ムニョス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン)
フィル・デイビス(米国)

<ライト級/5分3R>
ポール・テイラー(英国)
ジョン・ガンダーソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
ニック・オシベチェック(英国)
リック・ストーリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブラッド・ブラックバーン(米国)
ダマルケス・ジョンソン(米国)

<ライト級/5分3R>
ポール・ケリー(英国)
マット・ビーチ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ムスタファ・アルトゥルク(英国)
ジョン・マジソン(米国)