(写真)「全員の方向性決まるまで責任もって」と訴える「なぎさ寮」入所者=9日、東京都大田区

写真拡大

 東京都は8日、「公設派遣村」入所者554人中204人が、求職活動費として2万円支給された後に所在不明になっていることを発表。石原慎太郎都知事も同日、臨時宿泊施設の受け入れを18日で打ち切ることを明らかにしました。こうした都の対応に臨時宿泊施設「なぎさ寮」(東京都大田区)に9日現在も入所して就職活動と生活再建にあたっている人たちからは「生活再建のスタートを切ろうとした矢先にひどい」と、怒りの声があがっています。

 「働いて生活が安定したらボランティアに参加しようと思っていた」という建設労働者(43)は、「これでは入所者全部が悪者にされてしまう」と、心配します。

 「狭いところに35人も詰め込まれて我慢できなかったのだろうか…。連絡がつかないことは確かに悪い」と、無断退所者を批判します。「一昨年の派遣村を家族で見ていて、そのときは他人事でした。道路工事などの仕事がなくなり、失業。でも、税金はきっちり払ってきましたから、支援をしてもらいたいです」と語り、「山梨県に8歳、11歳、14歳の3人の子どもがいます。一生懸命に働いて仕送りしたい。まじめに生きていこうとしていることを理解してほしい」と訴えます。

 塗装工の男性(61)は、「204人全員が2万円持ち逃げしたと決め付けるのは正確ではないと思う。僕と同室の人は、仕事が見つかって働きに出ました。そうした入所者もいる。その人は『週払いだから戻れない』と話していた。極悪非道扱いはひどい」と話します。

 この塗装工の男性は「石原都知事は18日で打ち切るというが、生活保護受給手続きで、区役所の窓口の対応が遅い。私の場合は12日に面接が決まった。生活保護決定がたとえすぐ出ても18日までに決定するのは無理」だと、強引なやり方に怒ります。

 マージャン店で住み込みで働いてきた63歳の男性は「(所在不明になっている人は)バカなことをしたね」と、残念がります。

 男性は「一度はなぎさ寮に入ったことのある経験者が一定の割合で入所しています。そうした人たちは、住環境が悪いので国立オリンピックセンターからなぎさ寮に移るのを嫌がっていました。石原都知事の発言は論外で、全員の方向性が決まるまでは責任をもって生活再建を支援してほしい」と語りました。