暦が師走に近づくにつれて、さらに盛り上がりを増す競馬界だが、18日、2010年度の事業計画が経営委員会で承認され、来年の概要が明らかになった。

 ジャパンCダートの前哨戦として「みやこS」なる重賞が新設されたり、これまで阪神競馬場で開催されてきた「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」を、ジャパンCウイークの東京競馬場へ遷移するなど、JRAの番組改革は積極的だ。

 しかし、この改革によって、ひとつのビッグレースに転機が訪れることになりそうだ。そのレースとは、日本ダービー。一国の宰相になるよりも勝つのが難しいと言われるあのダービーである。

 今回の改革による変更点は、優先出走権枠の縮小。皐月賞4着以内は変わりないが、「近年の東京優駿(日本ダービー)への出走ローテーションが多様化している状況を踏まえ、トライアル競走で優先出走権を付与する着順を変更する」との理由から、青葉賞の上位3頭に与えられていた優先権は上位2頭まで。もう一方のトライアルレースであるプリンシパルSは2着以内→1着のみとなった。つまり、来年のダービーは収得賞金上位馬で占められることになりそうだ。

 これについては多方面で賛否両論あるようだが、ある競馬関係者はこう語る。「最近では素質馬の早期デビューが目立つけど、今後はさらに加速することになるかもしれないね。なんと言っても、ダービーはホースマンの誰もが狙っている称号だから。ただ、そうなったら怖いのが故障。若いうちから無理に使ってしまうと、飛躍の芽を摘むことになりかねない。ダービーだけのレベルは上がるかもしれないけど、ひょっとしたら、今以上に古馬の層が薄くなるかもしれないね」

 先日はカンパニーが8歳で天皇賞を勝ってしまうなど、古馬のレベルは年々、下降している感がある。それは、故障による有力馬の引退が原因。その傾向が今後さらに拍車をかけるのではと危惧しているようだ。

 その一方で、「京都新聞杯の2着馬はここ3年間、賞金面でダービーを断念しているけど、これでチャンスが出てきたよね。関西馬にとっては無理に青葉賞を使うこともなくなるし、長距離輸送を避けられるのはいいね」など、メリットを挙げる声もある。 ただ、過去を紐解いてみるとプリンシパルS2着馬が98年ダイワスペリアー、02年マチカネアカツキ、そして昨年のアントニオバローズと本番でも3着と好走し、大波乱を巻き起こしてきたのも事実。実力はあるが、賞金が足りない。そんな存在が消えてしまうのも少し残念ではある。