――今回の「ありがとうの笑顔」で10枚目のシングルとなりますが、3年前のデビュー当時と比べて、歌い方などが変わってきたと感じますか?

中川:ロックとかポップとかバラードとか曲によっても、また歌声が全然違うなって自分でも思うんですけど、バラードは正直ちょっと苦手で。「snow tears」の時も明け方まで掛かっちゃって、ただ音譜に乗せて綺麗に歌うだけじゃなくて、感情を込めて出すというのが出来なくて、すごく悩んだ想い出があったので。バラードと聞いた時に「どうしよー!」って思ったんですけど、今までのバラードに比べて自分の今一番言いたい、揺るがない気持ちが歌詞に入っているためか、今までに比べたら全然すごく早く録れました。あまり力んでなくて、そのまま歌ってるというのもありますね。

――今回は、なぜ「感謝」をテーマにしたんですか?

中川:やっぱり10枚目というのは自分の中で大きくて、2ケタ目に行ったことがビックリで。歌ってすごく楽しいけど難しいし、毎回ちょっとドキドキな感じなんですけど、「10回目まで来たのか!」という。それも本当にみんなが支えてくれたおかげなので、武道館というタイミングと、コンサートだから知ったこと、助けてもらったことが沢山あって。いつもMCでも「ありがとう」って言うし、ブログでも「ありがとう」といっても、文字じゃ、言葉じゃ伝えきれないことがありすぎて。この気持ちは一回ちゃんと言いたい!という。あとは家族に対して、私はおじいちゃんのことを思って歌ったんですけど、聴いてくれる人によって恋人でも、一番大事な人を想いながら聴いて欲しいです。

――作詞を担当されていますが、制作はスムーズに進みましたか?

中川:歌詞は「感謝の言葉だからこそ、中川翔子の気持ちが入っていないと伝わらないから」ということで、怖れていた作詞に…。今までもチャレンジしようとして全然できなくて、分からなくて、いつも書いては消してしまって。作詞する予定が間に合わなくてダメだったり、ということを繰り返してきていたので、「ついに来たか!」という感じでした。結構怒涛な夏で時間も無くて、そしてお爺ちゃんの具合が悪くて、気持ちが落ち着いてないから、「そんな時に無理だー!」って思ったんですけど。いつも歌詞を書いてくれるmeg rockちゃんが「そんな時だからこそ、ブレない気持ちがあるはずだよ」と言ってくれて、気持ちを書き出してみた感じですね。

――2曲目の「rainbow forecast」は映画「くもりときどきミートボール」の日本版主題歌になっていますが、好きな映画のジャンルなどはありますか?

中川:なかなか映画館に行く時間がとれないままで(笑)。「ヱヴァンゲリオン新劇場版」は初日に観に行ったかな。あとはDVDばっかりになっちゃうんですけど、変わらず好きなのはカンフーとゾンビで(笑)。ずーっと何年も香港映画ばっかり観ていたんですけど、最近はやっと「ジョーズ」とか「俺達に明日はない」とか、アメリカの古い映画とかを観るようになっていて。そういうのを観て、絵を描くのが好きなんです。

「くもりときどきミートボール」は、すごく久々に観たメルヘンでポップな映画だったんですけど、生きていく上で大事な色んなメッセージもいっぱい詰まっているし、観るとお腹が減るし(笑)。すごくカラフルで、「ここまでCGが進化したのかー!」って、色んなことにビックリする映画だったので、すごく楽しかったですね。歌詞はmeg rockちゃんが書いてくれたんですけど、映画の最後に流れて、いつもながら「なんで脚本を見ただけで、ここまでピッタリに書けるんだろう?」って。なおかつ普通に曲としてもすごくいい歌詞なので、よく口ずさんじゃうぐらい、すごく気に入っています。今までも歌詞にお菓子シリーズを入れてくれていて、今回も食べ物系の歌ということでガミーベアとかジェリービーンズとかがいっぱい入っていて、すごくカラフルだけど、若干男の子っぽい感じです。

――歌詞の内容について、特にmeg rockさんにリクエストしたわけでもなく?

中川:リクエストしたわけでもなく。本当にずっと思っていたけど、言葉にならなかった気持ちを、meg rockちゃんの歌詞で「あっ!そういうことだったのか」って教えられることも多くて。「ありがとうの笑顔」の方が後に出来たんですけど、「rainbow forecast」の「大好きな君の その笑顔を見たいだけ たった それだけのため 僕は生まれたのかも なんてね?」っていう所とか結構、「ありがとうの笑顔」とテーマが繋がっていて。大事な家族と一緒にいる時や、ファンの人が一生懸命コンサートで会いに来てくれる時の顔を見ると、本当にその通りだなって思うんですよね。