マジックが点灯、独走状態となった巨人に、あの男が帰ってきたはずが一転――。

腰痛によりプロ12年目にして初の2軍スタートとなった高橋由伸が、28日の阪神戦(甲子園)に代打で出場、308日ぶりの1軍復帰を果たした。

テレビ東京『ネオスポーツ』(29日放送分)では、そんな高橋の復帰に至る道のりを放送した。今春、34回目の誕生日を2軍で迎えた高橋は「今までで最悪の誕生日を迎えて、ちょっと自分自身では寂しい。情けないような」と静かな口調で話すも、ボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦の一歩を踏み出した上原浩治の試合を見ては自分自身を鼓舞していた。

また、テレビ東京のカメラにも、「やるしかない」という言葉を繰り返した高橋だったが、「こんな時間はない方がいいにこしたことはないので、今後よければ、いい経験になるだろうし、よくなければ、なんの経験にもならない」と複雑な胸中を垣間見せた。

だが、苦悩と葛藤の末に迎えた復帰戦のすぐ翌日には、腰の状態を見て「これ以上続けていてもチームに迷惑が掛かる」と手術を決断した高橋。30日には、再び出場選手登録から外れることになった。

この日「高橋復帰の舞台裏」と題し、予定通りに放送を行った『ネオスポーツ』にとっても、なんとも間の悪い放送となってしまった。特集終了後に続報を伝えると、キャスターの阿波野秀幸氏は、「手術ですか。残念ですよね」とポツリ。「ようやくポジションもファーストの練習をして、いよいよという時に昨日の一打席でこういう決断ですから、本人も悔しいと思います」と言葉を続けた。