省エネルギーと地球温暖化を防止する切り札として各方面から注目を集めている「燃料電池」が、ついに一般家庭へ普及しようとしている。

新日本石油と三洋電機が合弁で設立したENEOSセルテックは2009年7月1日、家庭用燃料電池「エネファーム」の出荷を開始した。
ENEOSセルテック製 「エネファーム」の出荷開始 - 新日本石油

またアキュラホームは、家庭用燃料電池「エネファーム」を搭載した住宅を1460万円から販売する。
アキュラホーム、家庭用燃料電池「エネファーム」搭載住宅を1460万円から販売 - NIKKEI NET 日経Ecolomy

そこで今回は、これから家庭への普及も予想される家庭用燃料電池「エネファーム」にフォーカスしてみた。

■燃料電池はどこで生まれた?
燃料電池の原理が発見されたのは、1801年との説が有力だ。
英国王立科学研究所の化学者・デービー卿がボルタ電池を電気分解することによって、ナトリウムやカリウムなどアルカリ元素の単離に成功し、この電気分解の逆反応として燃料電池の原理を発見したとされている。

その後、英国の物理学者ウィリアム・グローブ卿によって現在の燃料電池の原型ともいえる燃料電池が開発されたが、当時の英国は蒸気機関や内燃機関の実用化に目が向けられていたため実用化に至らなかった。

■そもそも燃料電池ってなに?
燃料電池とは、化学反応によって電気を取り出す装置のことだ。乾電池に体表される一次電池、鉛蓄電池などの二次電池とは違い、燃料と酸化剤を供給し続けることにより継続的に電力を取り出すことができる。

代表的な燃料電池としては、燃料に水素、酸化剤に酸素を使った電池があげられる。燃料電池の仕組みは、「水の電気分解」の逆工程だと思えばわかりやすいだろう。

中学校の理科の実験で体験した「水の電気分解」では、水に電気を通して水素と酸素に分解した。燃料電池では、この逆の工程で水素と酸素を化学反応させて電気と水をつくり出しているわけだ。発電時に作り出された水は、人間にとって無害なだけでなく、環境にもやさしく安全なものとなっている。

■エネファームが注目を集める理由
「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素とを化学反応させて電気を発生させている燃料電池方式のコージェネレーションシステム。

発電のときに発生する熱を利用してお湯を沸かすので、発電と給湯のまさに一石二鳥のシステムといえるわけだ。この熱によってつくられたお湯(約60度)は、貯湯ユニットにためておいて台所や浴室で使うことができる。

ちなみに発電量は、0.3kWから1kW。エネファームが発電していないときや電力使用量の多い朝や夜に1kWを超えた場合は電力会社からの電気を使用することになる。

■電気を賢く作って賢く使う - エネファームの考え方
「エネファーム」は、一般的な家庭(4人家族)の日中の電気使用量をほぼカバーする発電を行うことができるものの、発電が停止しているときや夕食後などに電気が足りない場合には、電力会社から電気を購入することになる。

あくまで目安だが、標準家庭における年間電気使用量のうちの約6割がエネファームの電気、約4割が電力会社の電気を使うことになる。とはいえ、「エネファーム」はお湯をつくりながら発電するので、お湯をつくるぶんのエネルギー代も節約することができる。

一般家庭に向けた燃料電池は、「エネファーム」というかたちでようやく実用化された。燃料電池が一般家庭に普及するにはまだまだ時間は掛かるだろうが、低炭素社会の実現に向けた切り札として大いに期待されているのだ。

参考
エネファームスペシャルサイト - 東京ガス

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