1989年4月15日、FAカップ準決勝のリヴァプール対ノッティンガム・フォレスト戦は中立地のヒルズボロ・スタジアムで行われ、詰め込み状態の立ち見席にいたファン96名がフェンスに押しつけられて圧死した。

そのヒルズボロの悲劇から15日で20年を迎えるが、リヴァプールの主将スティーヴン・ジェラードは、いとこを含む95名が亡くなった大惨事の傷は決して癒えることはないと話した。

当時9歳のジェラードは、10歳のいとこが最年少の犠牲者になった時の恐怖をクラブの公式サイトで次のように語っている。

「あの場面を生中継で見ていた僕はものすごいショックを受けた。知り合いがあの試合に行ってなかったかだろうかと思ったよ。あの時、リヴァプール・ファンはみんなそうだったと思う。あの晩、ベッドに入って、これ以上事態が悪くならないようにと祈ったのを覚えている。だけど、悲しいいことに翌朝、恐ろしいドアのノックの音で、いとこがあの試合に行っていて、悲劇的な死を遂げたことを知らされたんだ。あの時の彼の母や父や家族の反応を見たから、ぼくは今のような選手になることができたんだ」

「ヒルズボロの出来事はこのクラブにとってとても重要なものだ。亡くなった96名と負傷者のことは決して忘れられることはない。96という数字だけではなく、1人1人のことが思い出すことが大事だ。このクラブはあれ以来、正義のために戦ってきたし、これからもそうする。あれ以来僕らは団結してきたし、辛いときに共に仲間を大事にするのがうちのクラブなんだ。僕らはただピッチの上のことを大事にするだけじゃない。ピッチの外のことも同じなんだ」

「このクラブのファンは辛いときもいつも支えてくれる。ヒルズボロの時も同じだった。時は過ぎても、傷は決して癒えないし、ファンは決して忘れない。だから、僕らがサポーターの力を必要な時、彼らはいつもそこにいてくれるんだ」

チャンピオンズリーグ準々決勝のチェルシー戦の翌日、15日にはアンフィールドで追悼式が行われる。