現在、日本を代表する騎手と言えば武豊騎手である。中央競馬の歴代1位である3177勝(2月7日現在)を挙げているだけでなく、これまでの100勝ごとの節目もすべて史上最速で更新。最近では国民的人気を呼んだディープインパクトをはじめ、数々の名馬に騎乗し、多くの記録を樹立している第一人者だ。

その武騎手の通算100勝達成記録を、2月7日、弱冠19歳の三浦皇成騎手が21年ぶりに破った。昨年3月のデビューから11か月7日での達成は、それまでの武騎手の1年1か月16日を2か月も上回る快挙だった。

騎手が100勝を挙げるのは、どのくらい難しいことなのだろうか。三浦騎手と同期の騎手はほかに2人在籍しているが、4勝と未勝利と、いずれも勝ち星に恵まれていない。さらに、その前に100勝を達成した柴原央明騎手は三浦騎手の6年先輩にあたる。ちなみにこの柴原騎手は、昨年5月11日に100勝を達成したものの、“次の1勝”になかなか手が届かず、101勝目をまだ掴めていない。それほどまでに、騎手が1勝を挙げるというのは難しいことだ。

騎手が勝ち星を挙げるにはまず、レースに出るために馬を管理している調教師から騎乗の依頼を受けなくてはならない。通常1レースには最大で18頭までしか出走できないため、出られる騎手も限られる。調教師は実績や信頼できる騎手に依頼をすることが多いので、若手の騎手は騎乗機会を得ることすら難しいわけだ。

そこで新人は調教師の厩舎に所属して、その厩舎の馬で少しずつレースに出ることが通例であり、三浦騎手も茨城県美浦にある河野厩舎に所属している。三浦騎手はそこで与えられた機会でベテラン騎手を相手に好騎乗を続け、多くの騎乗依頼を得て勝ち星を重ねてきた。これまで競馬人気を一手に担ってきたと言っても過言ではない武騎手に対し、その記録の一つを見事破った三浦騎手。とはいえ、これまで武騎手が刻んできた記録はまだまだ数多くあり、それは今後いつ破られるかわからないものばかり。しかし、その牙城の一つをついに崩した19歳騎手の今後の活躍もまた、目が離せないところだ。