――早寝早起きとかではないんですね?

伊武:そういうわけではない。夜中の3時頃になると、六本木とか渋谷でウロウロしてるジジイがいるな、といったら俺だからね。それで、次の日になったら、もうほとんど壊れてるという。お昼過ぎに「あぁ、嫌だ。昨日なんで俺はこんなことをしたんだろう…」と
いう。

――別に長生きしたいとも思わない?

伊武:全然、それは無いよ。むしろ今生きていることですら不思議なんだもん。「なんでこんなにまで生きられたんだろう?」って。俺40歳ぐらいの時「俺は長生きして60歳だろな」って思ってたもん。ただ、健康法っていうんじゃないけど、体が求めるものが、他の人よりヘルシーなんだよね。自分が食べたいものが、お豆腐とか野菜系とか、あんまり自分から焼肉屋に行きたいなとか、激しくチーズが乗っかった料理を食いたいタイプじゃなくて。昔から、無性に食いたいと思うのは、納豆とかアスパラを1本焼いたのとか。

――ご自身で料理はされるんですか?

伊武:料理も自分でやるね。魚も、マグロだったらトロはあんまり興味無いし、赤身が好きなんですよね。そう考えると体的にはコレステロールが溜まったりするようなものはあまり食べないでいるから、いいのかもしれない。

――自分にとって、何か癒しを感じるものはありますか?

伊武:良い風景に出会ったり、良い絵に出会ったり。あるいは良い本に出会ったり、良い人に出会ったり。"気持ち良い"っていうものに出会った瞬間に、体中がきれいになるっていうかね。だから、家でモゴモゴしてるよりは、朝6時頃パッと起きてね。太陽が昇ったと共にとりあえず外に出てみると、人が居ない朝の公園の、紅葉に太陽が当たって「あぁ、気持ち良い」って思うね。

――来年60歳になられるんですけど、何かしてみたいことはありますか?

伊武:もう何にも決まってないね。ただ、ちょっと旅に出て、垢を落としたい。

――垢ですか?

伊武:59年間の垢を。きれいな、ピュアな心になって、また新たに前進を進めたいっていうか。頭ん中にこびり付いている何か汚い脳みそのカスの様な、腸の中にこびり付いているロケ弁の天ぷらの油とか(笑)。そういうものをきれいに出して、きれいな60歳をしてみたいなっていうのはありますけどね。

――来年2月には、「スネークマンショー」のDVDが販売されますが、どういう経緯で?

伊武:「楽しいテレビ」ですね。あれは、数十年前に作って、あのまま世の中から消すのは勿体無いなと思ったから。竹中直人君も、大竹まこと君も、きたろう君も、いとうせいこう君も、まだみんな、それぞれが世の中に出る前なんだよね。今もみんな存在自体をキープしてるのが奇跡的なことだし、あの時に彼らが持ってた原点というか、俺も含め恥ずかしい部分はあるんだけど、今埋もれさせるよりは、もう一度復活させて、世に出してみたらどうかな、っていうことなんですけどね。

「ピューと吹く!ジャガー 〜いま、吹きにゆきます〜」ストーリー
とあるフリマのお店で、何かを買わないと気まずい感じになったピヨ彦は、仕方なく
筒状のオブジェがついたチョーカーを購入する。そして、ちょうど会場に居合わせた
ジャガー、高幡不動とともに父ハメ字郎の珍笛ブースを覗いたりしたのち、帰途につ
く…。そんな、よくある一日のハズだった…。

監督:FROGMAN
出演:藤原啓治、金丸淳一、真木よう子、板東英二、伊武雅刀
公式サイト: http://www.pyu-to.com/
2009年1月10日(土)より、TOHOシネマズ系にて全国ロードショー

■関連リンク
伊武雅刀 公式HP - 公式サイト
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