――北川さんはモデルのお仕事もされていますが、映画の撮影ではどのようにして現場の雰囲気をつかむようにしていますか?

北川:私は結構、現場に入って雰囲気をつかむタイプで、あんまり家で「明日、どういう風にしよう?」とか考えたりもしなくて。逆に、本当にその衣装を着て、メイクしてもらって、セットで塚地さんとか谷原さんと会ったら役になれる、って感じです(笑)。

――最初に、演技の仕事を始めた頃からそうだったんですか?

北川:そうですね。

――セリフは、どこでどのようにして覚えますか?

北川:セリフは本当に直前に覚えるんですけど、台本は一回目を通して読んだ感想が、二度三度読んでいく内に、深読みして変わっていっちゃうのが恐いんですよ。

――そのコツはどこで掴んだんですか?

北川:なんだろう? 結構、最初からそうかもしれない。多分、レッスンとか本格的な演技指導を受けたことが無いので。その日の台本っていうのは、その日の現場に向かう車の中で覚えたり、テストをやる5分前とかにパッと見て閉じて、みたいな。逆に、一字一句、全部を覚えすぎちゃうと変な感じがするんですよ。同じ字って、ずっと書いてると「合ってるかな?」って感じがしません? 

――以前、「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」でハリウッド映画にも進出していますが、そこで何か大きく変わったり、ショックを受けたことはありましたか?

北川:向こうの役者さんのモチベーションの高さみたいなものには結構、衝撃を受けました。日本だと、エキストラさんとかは登録すれば結構、誰でも出られたりすると思うんですけど、向こうはエキストラさんでも、ちゃんとアクターズスクールとか、アクティングコーチを付けてもらって演技がすごく上手い人ばっかりだったし。役者さんも、一行しかセリフが無くても、その一行を何回も練習したり、色々なパターンの言い方を研究したりしていて。多分、アメリカって国土も広いし人口も多いから、出られるまでの競争率が日本と違うと思うんです。その中で、やっぱり演技に対する姿勢が全然違って、ストイックだったんです。だから、私もセリフ一行をもらえることがどれだけありがたいのか、向こうの人は役をもらっていることにこれだけ感謝しているんだな、っていう意識の面で尊敬して、見習う所がたくさんあって。それからは、一つ役をもらえるとすごく嬉しくて、頑張ろうと思うようになりました。

――どんな役でも、特に主演やヒロインになると強いプレッシャーを感じると思いますが、それをどうやってはねのけようとしていますか? それとも、プレッシャーあまり感じない方ですか?

北川:プレッシャーは、いつも感じますね。主演とかヒロインだっていうプレッシャーもそうだし、結構今までやってきた役が全部違うんですよ。だから「前のあの感じでやろう」とかいうのができないから、「こんな役、私に出来るのかな?」っていうプレッシャーもあるんですけど。はねのけないままっていうか、プレッシャーに感じたまま最後までやっちゃいます(笑)。「今日も大丈夫かな?」って思いながら現場に向かうし、終わった後も「大丈夫だったかなぁ?」って考えます(笑)。