21世紀型の先進ロールモデルと呼ばれたアイスランドだが、財政破綻の危機に、IMFやロシアに緊急融資を要請するなどデフォルト回避の努力が続いている。

 国民一人当たりのGDPは世界トップレベル、スイスIMDの『世界競争力年鑑』では、国際競争力が欧州でトップと評価され、人口30万人程度ながら屈指の経済力を誇っていたアイスランドが、現在財政破綻の危機に瀕している。先週、国内大手3銀行を政府の管理下に置き、株式取引を停止、急落する通貨アイスランド・クローナの相場を対ユーロで固定する政策を断念し、さらに同国のスカルプヘイジンソン産業相は12日、国際通貨基金(IMF)に支援を求める可能性を明らかにした。

 アイスランドは英国の北西に浮かぶ北海道と四国を合わせた程度の面積を持つ小国だ。1980年代は漁業が産業の中心だったが、近年ではITと金融部門の伸びが著しく、クレジットカードやインターネットバンキングなどによりキャッシュレス決済が進み、「21世紀型の先進ロールモデル」と呼ばれるなど注目を集めていた。

 しかし海外進出した国内大手3行の合計借り入れがGDPの5倍強に膨らんだところを米国発の世界金融システム不安に巻き込まれ、信用収縮が発生、たちまち資金繰りが悪化してしまった。ITと金融業の成長が一国に高成長と雇用をもたらすロールモデルは、世界同時不況によってその脆弱性を露呈してしまった。

 アイスランドは欧州各国に融資を断られた後、IMFとロシアに緊急融資を要請するなどデフォルト(債務不履行)を回避するために、国家が他国に支援を仰ぐ異常事態に発展している。

 ただし借り入れで身の丈以上に金融業が膨らんだ国は同国だけではない。週明けの13日は米国をはじめ世界各国の市場で反発が起こっているものの、世界有数規模の銀行を持つスイスやアイルランド、英国も銀行の預金・借入残高が国のGDPを大幅に上回っており、小国の国家破綻の危機は、「対岸の火事」などと言っていられない状況にある。

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MoneyZine編集部[著]

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