輸入小麦の高騰で、パンなどの食品も値上がりしている。価格差が縮んだこともあって、米の粉を使った食品が見直され「米粉パン」を給食に導入する試みが広がっている。

2008/8/24の西日本新聞によると、
現在業務用の小麦粉は1キロ・175円、パン用米粉は同281円(新潟県試算)でかつて、2倍だった価格差が1.6倍に縮み、さらに1.4倍程度になる見込みだという。
これに伴い、米の生産者や流通関係者を中心に米粉の利用を広げる取り組みが進んでいる。
福岡県のJA北九東部(北九州市小倉南区)では、加工グループが週3回、1日約3000個のパンを焼いている。この原料は地元栽培の「夢つくし」なのである。
北九州市では2005年から米粉普及活動に取り組み、「米粉料理レシピ」発行や料理コンテストなどを行ってきた。
また、同県うきは市では、今年7月から小学校の給食に「米粉パン」を導入している。価格はまだ米粉パンが高いものの、子どもらの反応は良かったという。これは福岡県では初の試みなのだ。
九州では宮崎県が2003年度から導入しており、同県では米粉の使用量が増え、2003年度開始時には1.4トンだったが、2007年度には24.5トンまでになっている。
米粉の利用を増やそうと、九州農政局では米粉パンなどを作っている店、82店を紹介する冊子も作成しており、今年10月に改訂版を出すという。
「米粉を扱う店が増えており、店舗数が約2倍になりそう」
とのことだ。

全国レベルでは「米粉パン」を給食に導入した学校数は2003年度は983校だったが、2006年度には7836校にまで増えている(農水省調べ)
しかし、米粉の生産量自体はまだ横ばいで、小麦粉の2%程度だ。関係者は生産量自体が伸びるのはこれからだという。小麦粉の10%にあたる米粉の生産には、原料米をつくる水田が「10万ヘクタールは必要」(新潟県)といわれ、耕作放棄地を水田に戻す作業が必要なのだ。

これまで減反政策で農地を減らしてきたが、国内自給率40%が問題視される今、米粉の見直しを機に農地を蘇らせ、自給率アップへ向かう時なのかもしれない。

(編集部:TAKESHI)

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