――同じ中田さんプロデュースで言えば、去年からPerfumeや最近もMEGさんと話をする機会があったのですが、Perfumeの場合は楽曲に関してほぼ中田さんにお任せで、逆にMEGさんの場合は歌詞に関してほぼMEGさんにお任せという関係で、鈴木亜美さんの場合はそのどちらにも当てはまらない気がしていて。今回「ONE」の歌詞は中田さんが書かれているのに、すごく鈴木亜美さんらしさを感じさせる内容ですが、何かリクエストされたことはあったんですか?
鈴木:いやもう全然、わざわざそのことについて話さないんですよね。だけど、「そういえば私、こういうこと言ってたな」というようなワードをちゃんと聞き取っていてくれて、それがもう中田さんの頭の中にインプットされていて(笑)。こういう形になる時に、年間を通して私が発したワードが詞になっていたりするので、「この人は、ただ単に世間話をしているだけじゃないんだな」という(笑)。そこがやっぱりプロデューサーだなと思います。

――「I love your smile」とか、「I love music and this world いつでも 次の何かを追いかけてる」とか、すごく亜美さんらしいですよね。
鈴木:本当にそうですねー。当たり前のことなんですけど、中田さんに「普通に、本当に音楽好きなんだね、楽しそうだね」と、いっつも言われるので(笑)。それは何か他の人ともまたちょっと違うのかなぁ?とか、私も言われて気付かされたり。そんなに笑顔でいるのかなぁ?とか(笑)。そこは何か私に対して気付いた点を中田さんが曲や詞にしてくれているような気がします。

――capsuleに少し近いというか、PerfumeやMEGさんともまた違う攻撃的なサウンドだ感じていますが、ヴォーカルのエフェクトの掛け具合とか、全体の中でのヴォーカルと楽器のバランスや鳴り方とか、何か話されたことはありますか?
鈴木:私はもう「制限なしで!」と言っていますね。中田さんの方が分かっているし、言っていることに対して私の方が知らないので。最終的に「クラブでかけたら、こうなるから」というのを目的として作っているので、「そういえば、そうだな」と、私もそこに辿り着くので。「そこの型を破らないと、何も変わらないんだな」と思ったり、そういう所ですごく学びますね。なので全然ポップスから離れちゃってもいいと思っているし、歌詞がどんなに同じこと繰り返していてもいいと思うし(笑)。そこは私自身、全然気にならないですね。

――大衆的であるために、普通の人がブレーキを踏んで無難にまとまってしまいがちな所で、むしろ加速するぐらいの勢いがカッコイイなという感じがとてもしますよね。
鈴木:そうですね。「好きなように作って下さい」とお願いして一番いいものが出てくるというのは、逆に私が中田さんに対して潔さを一番感じた所ですね。

――MEGさんのアルバムでは曲順までも中田さんが先に決めていたので、ディレクターさんが口を挟む余地が無かったみたいです。
鈴木:(笑)。

――「FREE FREE/SUPER MUSIC MAKER」に続き、セクシーで刺激的なジャケットやミュージックビデオになっていますが、どのようにして決まっていったんですか?
鈴木:ジャケットは、まず一番最初に「LEDを使おう」ということは決まっていて。ちょっとライブ感を出すというか、ライブというよりもクラブみたいな雰囲気、だけど別にクラブじゃなくて。ライブに近いクラブみたいな感覚をPVに表現したいな、と思って。ジャケットはPVとリンクさせて、同じタイミングで撮って、いいものを抜粋していこうという感じでしたね。もうLEDをトコトン使いに使って遊ぼう、という感じでやりました。

――衣装については?
鈴木:衣装は、まずイメージですね。何か質感とかから、キラキラだけど、それがどういうキラキラなのか?スパンコールなのか、サテン系のキラキラなのかという。だけど、やっぱりスパンコールに敵う物は無く。そうやって相談しながら決めていきますね。

――「ONE」というタイトルは、中田さんと亜美さんとどちらが決めたんですか?
鈴木:「ONE」はもう、「ONE」だなという…(笑)。お任せしました。

――自分の中で1番大事にしていることや、他の人に負けないと感じる「ONE」は何ですか?
鈴木:そうだなぁー。本当に私が1番「これで良かったな」と思えるものは、自分自身すごくポジティブな所。なので、周りを気にせず自分がトコトン納得がいくような仕事だったり、生活の仕方ができるので。それはすごく自分自身に自信をもって言える所ですね。