■ライト級/5分3R
ニック・ディアズ vs ムシン・コーベリー
○[3R3分59秒/TKO]×

DREAMではウェルター級で戦ったニック・ディアズ。EXCが売り出しに力を入れるファイターは、168ポンド契約の試合に出場。計量オーバーしつつも、EXCではカットで敗れ王座奪取に失敗したライト級王座に標準を合わせている。

自分のために用意されたタイトルをその腰に巻くためにも、絶対に負けられない一戦に挑んだディアズ。対戦相手のムシン・コーベリーは本場タイで修行を積んだこともあり、ムエタイを主武器にするが、ボクシングと柔術にも長けているというトータル・ファイターだ。

独特の間合いからスローテンポで左ハイ、タックルを繰り出すディアズ。右ボディブローで応えるコーベリーは、明らかに体格で一回り小さい。ダッキングしながら近距離で戦うコーベリー、首相撲の攻防では互いにヒザをボディに打ち込む。離れてパンチを入れるディアズ、対するコーベリーは巧みなディフェンスを駆使し、カウンターやバックハンドブローという大技も織り交ぜて攻撃する。

ワンツーを打ち込んだコーベリーだったが、反対に左ストレートを顔面に受けてしまう。ディアズは組みついてケージに押し込むが、テイクダウンには至らない。距離をとったコーベリーが右ミドルをボディに叩き込むと、負けじとディアズもケージに詰めてボディを連打。一進一退の攻防は、ここで1R終了を迎えた。

2R、組みついたディアズは胴タックルから片足タックル、両足タックルにスイッチするが、テイクダウンを奪うことができない。左へ左へと回りながら、右を放つコーベリー、ここでディアズの右フックがヒット。コーベリーの角度を変えた右フックが、3回連続でディアズの顔面を捉える。さらに前進してきたディアズのパンチをウェービングでかわし、観客の大声援を受ける。ディアズの左、コーベリーの右が交錯し、残り時間1分になったところで再びディアズが組みつく。テイクダウンこそ奪えないが、その防御でややスタミナをロスしたように見えるコーベリーは、残り時間20秒でついにテイクダウンを奪われてしまう。サイドを取ったディアズだが、ここでタイムアップとなり寝技で攻めることはできなかった。

3R開始早々にテイクダウンを狙ったディアズだったが、ここでもコーベリーは距離を取ることに成功する。クォーターの態勢から、後方にコーベリーを下し、テイクダウンを奪ったディアズは、そのままパスガードに成功する。キムラ・アームロックを仕掛けるディアズ、そのまま腕十字い移行したが、コーベリーはここでも腕を抜くことに成功する。そのままコーベリーをケージ際に追い込み、パウンドを連打するディアズ。両足を畳んでパス、キムラのフェイントからマウントを奪取すると、ここでマウントの連打。

思わぬコーベリーの善戦に、苦戦を強いられたディアズだったが、最後はしっかりと3R3分59秒TKO勝ちを手にした。試合後、必至で世界戦を煽るインタビュアーのビル・ゴールドバークを遮るように、何ら目立ったアクションをすることなくケージを降りたニック・ディアズ。最後まで、彼らしくマイペースを通していた。

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