なぜケータイ小説は売れるのか

写真拡大

2月某日、『なぜケータイ小説は売れるのか』という書籍をだすということで、実際にその真相を知りたい好奇心旺盛なトレビアン記者は著者である本田透(ほんだとおる)氏に取材を決行。
本田透氏は過去にも『電波男』や『ライトノベルの楽しい書き方』などを出版しており、「なぜケータイ小説は若い女性にうけるのか」、「なぜ売れているのか」、「今後のケータイ小説は?」などケータイ小説のことについて伺ってみたぞ。


ケータイ小説は何故ネガティブ?
記者 ケータイ小説ってネガティブな表現が多いじゃないですか。鬱、リスカ、自殺、妊娠して流産とか。
で、何故それが若い人に受けるのでしょうか。
本田 ケータイ小説の読者はそういうイベントを『リアル』だと感じるんです。ただ、この場合の『リアル』というのは実体験に基づいてるのではなく、あくまでも『リアリティ』を感じてるんだと思う。既成の小説が取り上げたがらない、彼女たちにとってのリアリティ。これは現代の“生きた物語”なんだなと思います。

何故無料で読めるのに売れるのか?
記者 ケータイ小説って無料じゃないですか。全部読めちゃう。あれが何故書籍化されてあそこまで売れるのか。
本田 作品のファンがアイテムとして書籍版を購入するわけで、ビジネスモデル的に今までの文芸書とは違う。「保存しておきたい欲求」があるんじゃないですか。ただ、こうなると今度は人気作家の作品しか売れなくなるという問題が発生します。『iTunes』も人気アーティストしか売れないらしいです。

文芸はニート?
記者 ケータイ小説ってどうなっていくんですかね? そろそろ頭打ち?
本田 そーですね……。今の実話系ケータイ小説のジャンルを伸ばすのはもう難しいですけど、ジャンルを横に広げていけば大丈夫でしょう。
記者 もしくは、今書かれている定番のテーマ(鬱、リスカ、自殺、妊娠)をごっそり変えてしまうとかどうでしょうかね? ニート、童貞、中二病、スネかじり、アルコール、ネットゲーム廃人など……。
本田 そっち系ですか!!! 元々文芸ってニートのものですからね。夏目漱石の時代は、ニートこそが文学上の理想だった。ただ、問題はその系統の作品を求める読者がケータイで小説を読むようになるかどうか。ニートは頭がいいから、パソコンで読むと思うんですよ。

ケータイ小説は世紀末
本田 そもそもケータイ小説読者全員がケータイ小説の様な生活をしてるわけがない。だって「北斗の拳」のような世紀末世界じゃないですか。
記者 でも実は知らないだけで周りにこういうことが結構あるのじゃないのかなと思ったり。
本田 まあリストカットは一人でできるけど、輪姦なんて一人じゃ不可能ですからね。
記者 書籍化するということはある意味、告発みたいなものですからね。警察行けばいいのに行かない。
本田 うん、そういう方向じゃないんですよね。何があっても警察には行かないし弁護士にも相談しないという。
記者 これがもし本当だとしたら日本は病んでますね。

ケータイ小説は文章がおかしい?
記者 ケータイ小説って意図的に校正してないものが多いじゃないですか。文章が携帯で書かれたものそのまま本になってしまったり。それって味を出すためにわざとなんですか。
本田 字が少ないとか行間がスカスカなのは、ああいうケータイにマッチした文体を意図的に狙ってるんだと思う。あれを文芸小説っぽく書き直しちゃったらまた別物になってしまう。書籍化の際に誤字を直したりするとクレームが来たりもするそうです。やはり、ファンは本をアイテムとして持っておきたいんです。
記者 『電車男』がその代表ですよね。誤字脱字だけじゃなくてAAもそのままだった。だけど馬鹿売れ。

と、長時間にわたるインタビューは無事に終えることができた。
ケータイ小説は若い層に読まれるのはもちろんだが、今後もしかしたら層が広がっていきおじさんやおばさんも読み出す時代が来るかもしれない。そんなときのために今の内からおじさん向けケータイ小説を書けば馬鹿売れ?

参照:なぜケータイ小説は売れるのか(アマゾン)

■オススメ! 最新人気トレビアンニュース
もっこりするドリンクが送られてきた!
ホワイトデーのボーダーライン 「値段3倍、気持ち100倍!」
ディズニーが今度は『初音ミク』をパクる?で騒動
ネットで話題の『はみちつパン』とは!?
アマゾンの“ほしい物リスト”がだだ漏れ状態!

■関連リンク
バックナンバー一覧
トレビアンニュースについて
トレビアンニュースのRSSが変更になりました