写真ではちょっと分かりづらいんですが、表紙がピカピカしています。レリーフ調なデザインも施されていて、何気に凝った作り。

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先日、JTBパブリッシングから『もえるるぶ COOL JAPAN オタク ニッポン ガイド』が発売されました。購入する前は、2005年から出ているオタク向け旅行ガイド『もえるるぶ』の新刊が出たくらいにしか思っておらず、書店で見かけた際も「表紙絵は初音ミクのKEIさんか。判型が前より大きいな〜」という印象で、あまり期待もせずに惰性で購入したのですが、実際に読んでみると、これが確実に過去最高の内容で、ネタの充実っぷりには目を見張るものがありました。オタク関連の本も本気で作れば、まだイケると実感。今回はこの新しい『もえるるぶ』のご紹介をしてみたいと思います。

■腕っ節最強のオタク「ジョシュ・バーネット(プロレスラー)」参戦!
"青い目のケンシロウ"ことジョシュ・バーネットのインタビューが驚きの巻頭ネタ! どうやら編集部内に重症のプロレスオタが潜伏しているようであります(妄想)。レイアウトも「kamipro」(※1)を意識したようなイメージになっているので、なんだかニヤニヤが止まりません。ジョシュは秋葉原辺りでは有名人ですので、コメント内容は自分にはお馴染みの内容が多かったんですが、初めて知る人にとっては新鮮に映るんじゃないかと。

総合格闘技でも実績を残すプロレスラーが『攻殻機動隊』が大好物だったり、海洋堂(模型メーカー)の常連だったり、新宿西口ヨドバシカメラを絶賛してたりというのは、やっぱり最高。旅行ガイドの巻頭企画に外国人(アメリカ人)のインタビューを載せたのは、タイトルの"COOL JAPAN"という部分を意識してのことなんでしょうか。ともあれ、この本の本気度が垣間見える記事であることに間違いはありません。
(※1)kamipro:エンターブレイン発行の格闘技&プロレス専門誌。現在発売されている同種の雑誌の中では、ダントツに頭の悪い雑誌(褒め言葉的な意味で)。昭和プロレスネタやUWFネタなど、一般人完全無視の変態的な企画を取り上げることでも知られる。

写真ではちょっと分かりづらいんですが、表紙がピカピカしています。レリーフ調なデザインも施されていて、何気に凝った作り。表2には『ガンダムOO』の広告がドーン。この手のムックには珍しく、本誌の広告は全部で6Pのみ。昨今の出版業界の常識をデストロイ!


■コスプレ基礎講座&メイドの癒し
コスプレを紹介する記事では「中野腐女子シスターズ」(※2)のリーダー・乾曜子さんが登場。エヴァのアスカ、涼宮ハルヒという定番ネタを披露しています。ややネタが定番すぎる気もしましたが、取材協力店が渋谷の異次元空間・COSPATIO(コスプレショップ)と知って納得。取材先の商品をさりげなく使って宣伝に協力するのは、編集者の常識ですからね。コスプレ入門用としては間違っていないと思いますし。

ほかにもコスプレ体験ができるお店の紹介や、「としまえん」で頻繁に開催されているコスプレイベントの写真なども掲載されています。
(※2)中野腐女子シスターズ:お笑い芸人のはなわがプロデュースする、オタクアイドルユニット。はなわ自身も"ジャジィはなわ"として、イベントなどに出没している。バカドルとして人気が出たスザンヌも「健康ヲタ」として所属していたが、2008年3月15日の卒業ライブを最後に脱退した。

お約束のメイドネタは案外少なめですが、メイド喫茶以外の派生業種もフォローしているので、必要十分な内容になっていると思います。ちなみに紹介されている派生業種は「メイドリフレクソロジー」「メイドカラオケ」「メイド眼鏡屋」「メイドカジノ」「メイドダーツ」など。個人的に秋葉原イチの名店と思っている某メイド喫茶は掲載されていませんでしたが、これはある意味ホッとしました。そこは普通に繁盛しているお店なので、もしかしたら取材を断ったのかも……?

■イベント&ライブレポート
イベント関連は、コミックマーケット(同人誌即売会)やワンダーフェスティバル(模型イベント)の概要が解説されています。ライブはAKB48や「ANIME JAPAN FES 2007 "冬の陣"」のレポートを掲載。ちなみにAKB48劇場のことを「手を伸ばせば届く距離でアイドルたちがパフォーマンス」と表現しています。実際の客席フロアは、初めて行くと確実に驚ける狭さなんですが、それは逆に良さでもあるので本誌ではこういう表現にしているんでしょう。ハッキリ言ってAKB48は、生で観ないとファンの熱狂が理解できない存在なので、一度体験しておくのがオススメです。

■腐女子情報も満載
執事喫茶のページだけで8ページを確保しています。様々な情報を詰め込んだ全140ページの本紙記事の中でこの分量はかなり多め。中でも池袋の人気店「Swallowtail」の紹介には、計3ページが費やされています。同店はキャンセル待ちに1ヵ月かかるとか、紹介メニューの「イングリッシュ・アフタヌーン・ティーセット」の値段が2700円とか書かれています。客単価が高そうなお店ですが、人気があるのはコンセプトが徹底されているからなんでしょうね。

イケメン俳優が出演するミュージカル情報もあります。このジャンルでは『テニスの王子様』が有名ですが、本誌ではバスケものの『DEAR BOYS』をピックアップ。コーエーの重要コンテンツであるネオロマンス(同社の女性向け恋愛ゲームの総称)のイベントもしっかり抑えてます。

■大人の社会科見学
小説・漫画・アニメの舞台となる場所ということで、「防衛省」「警察博物館」「海上保安庁」などが取り上げられています。また、最近時々話題になる「工場萌え」「高速道路のジャンクション萌え」などにも対応。

■鉄ヲタ・ミリヲタ・ガンヲタ情報
定番の鉄道ネタでは、タモリ倶楽部でお馴染みの豊岡真澄さん(南田マネージャーが担当)、"鉄ドル"木村裕子さんが登場。もちろん、「鉄道博物館」も載っています。ほかにはミリヲタの定番ホビーであるサバイバルゲームを見開きで解説したり、ガンプラの聖地「バンダイホビーセンター(静岡県)」の情報などを掲載。

■その他(聖地巡礼、ご当地情報、おでん缶食べ比べ等)
その他、聖地巡礼ネタでは『ジョジョの奇妙な冒険(4部)』=宮城県仙台、『らき☆すた』=埼玉県、『ひぐらしのなく頃に』=岐阜県白川郷、『School Days』=JR西国分寺駅などを紹介。ご当地情報は、大阪・名古屋を始めとした、全国のオタク系ショップのリストを制作。おでん缶の食べ比べやアーケードゲームの紹介などの小ネタもあります。

ちなみに、萌え要素満載のゲーム『クイズマジックアカデミー?』の紹介記事の中で、スキンヘッドでヤクザ風のお兄ちゃんが、筐体の前でガッツポーズしている写真がかなりヤバいです(シュール的な意味で)。

■『オタクニッポンガイド』はバイブルだ
本誌は単なるガイドマップにとどまらない、アキバ系文化の総合ガイドブックとして編集されています。これ一冊で、現在のヲタ文化の概要がおさらいできるので非常に便利。「このネタだったら、○○があった方がいいのに」と思う部分もありますが、ネタの取捨選択が生じるのは当然なので全体的に見れば良いバランスに仕上がっていると思います。

裏表紙です。雑誌の広告営業で一番お金の取れる場所に、このようなイメージカット的な処理をするなんて……。贅沢すぐる(同業者の叫び)。2005年度版の『もえるるぶ』との比較。何気に値段も一緒の1260円(税込)です。ちゃんと売れて実売数が出て、次号が出ますように(願)。

とりあえず、秋葉原や中野ブロードウェイなどに興味がある人は、迷わず買えば問題なし。これはもっと評価されるべき本だと思います。

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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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