昨年6月にライト級再転向を果たし、仇敵ジェンス・パルヴァーを倒したBJ・ペンにとって、この王座は実に6年越しのターゲット。今も昔も実力ナンバーワンの称号を持ち続けているペンだが、2002年1月のパルヴァーへの挑戦ではまさかの判定負けを喫し、2003年2月に行われた宇野薫との王座決定戦でもドローに終わり、その後ウェルター級に転向した形になっている。

2000年7月、ブラジル人以外で初めてブラジリアン柔術世界大会の黒帯で優勝するなど、寝技の強さは絶対的なBJ。加えてパンチの的確性、卓越したテイクダウンの技術、柔軟なヒザを利用した数々のテクニックを有しており、天才の異名にふさわしい実力者だ。

対するジョー・スティーブンソンは、17歳のときにプロMMAデビューを果たした25歳のベテランファイター。デビュー当時はふっくらとした体型でミドル級で活躍し、同時にグラップリングの大会でも実績を残してきた。UFCはTUF2で優勝しデビュー、06年4月にジョシュ・ニアーに破れライト級転向を果たすと、日本の三島☆ド根性ノ助を2分7秒で破るなど、4連勝中だ。

BJの相手の隙をついて要所要所で効果的な動きを見せる寝技に対し、タックルに合わせたギロチンチョークが有名なスティーブンソンだが、実はアグレッシブに動き続けるタイプのグラップラー。スタンドの打撃はBJに部があるものの、スタミナではスティーブンソンという見方もあり、かなりの接戦になる可能性も高い。

BJ×シャーク戦をライト級最高峰の戦い――とする見方に、スティーブンソンが意地を見せるか。非常に楽しみな王座決定戦だ。

セミファイナルのプレビューは次ページへ