暫定王座、つまりはセラへの挑戦権をかけた一戦は、残り数試合で引退を公言しているヒューズにとって、王座奪回への最後の難関といえる。

前回の対戦では、その2ヶ月前にBJ・ペンという最強のチャレンジャーを下したばかり、非常に短い試合間隔のなかで行われており、心身ともに万全の態勢でなかったことは明らかだった。今年3月に復帰戦を飾り、その後TUFシーズン6でコーチを務め、昨年とは違うヒューズが見られるはずだ。

一方、4月にまさかの王座陥落を経験したGSPだが、8月には難敵ジョシュ・コスチェックを圧倒しており、ベルトを失った影響は見られない。今も成長過程にあるGSPと、MMAキャリア50戦を迎えようというヒューズ。勢いはGSPにあって然りだが、最後のチャレンジに期するものが多いヒューズを侮ることは出来ない。

また、ズッファのオーナ=ロレンゾ・フォーティータと、代表ダナ・ホワイトにとって、その実現を夢にまで見たチャック・リデルとヴァンダレイ・シウバの一戦、遅きに逸した感もあるレジェンド対決はセミファイナルで行われるが、年末の大一番にはこのほかにも見所が多い。

リデル×シウバが黄昏の一戦ならば、ライトヘビー級戦線に大いに影響してくるのが、リョート・マチダとソクジュの試合。米国での実績が乏しいソクジュ、PRIDEのリングで見せた大物狩りを知っているファンが米国で少ないこともあり、苦戦が予想されているが、その評価を覆す可能性は高い。派手さはないが、磐石の強さを誇るリョートと底を見せていないソクジュ、この試合に勝ち残った者が、ランペイジ・ジャクソンとフォレスト・グリフィンで行われるであろう次回ライトヘビー級選手権試合の勝者に挑戦することはまず間違いない。

このほか、4月のUFCファイトナイトのメインでジョー・スティーブンソンに破れ、ドラックチェックで養成反応が出てサスペンションを受けたメルヴィン・ギラードの復帰戦、ADCC2003オセアニア代表で豪州ネイティブのソア・パラレイの参戦、オランダ在住のブルガリア人ファイター=ジョーダン・ラデフ、全10試合20人の出場選手中、米国人ファイターは9人。2008年度にさらなるグローバル化を図るUFCの意気込みが感じられる掉尾の一戦となる。

UFC79 全対戦カードはコチラ