■『人生の壁を破る50の反則』
著：松永光弘　発行：オークラ出版
発行時期：2007年9月

「ミスター・デンジャー」の異名を持つプロレスラー・松永光弘氏の書いたビジネス誌です。松永氏は、後楽園ホールの２階バルコニーからダイブした試合でファンの度肝を抜き、数々のデスマッチでマット界に伝説を残した人物であります。アキバ系にはプロレス好きも多いので、ガンダムと一緒に紹介しちゃいます。


松永氏が過去に闘ったデスマッチの名前はなかなか刺激的で、
「五寸釘デスマッチ」
「月光闇討ちデスマッチ」
「アマゾンリバー・ピラニア・デスマッチ」
「月光闇討ち電撃殺人器スパークデンジャラスボード四面楚歌デスマッチ」
「蛍光灯ボブワイヤード裸足デスマッチ」
「蛍光灯200本＆画鋲ガラスデスマッチ」
といった感じで、文句なしにインパクトがあります（内容が意味不明なものも多いですが）。とにかく松永光弘というレスラーは、常に新しい仕掛けをファンに提供してくれるアイディアマンでありました。

『人生の壁を破る50の反則』の表紙。金髪＆無表情のレスラー・松永光弘が激白。


やがて松永氏は、毎試合血まみれになりながらも全く楽にならない生活に将来への不安を感じ、一念発起して飲食業界に進出します。そしてステーキ屋での修行を経て、「ステーキハウスMr.デンジャー」のオーナーとして独立。“元スポーツ選手が出した店にはロクな店がない”という定説をはね除け、地元でも上々の評判を得る「ステーキハウスMr.デンジャー」設立・運営のノウハウがこの１冊に詰まっているのです。

プロレスラー・松永光弘を知っている自分が読むと相当面白いのですが、一般の人にはプロレス用語満載という点がちょっと難ありかもしれません。一応理解しやすいように、色々とかみ砕いて書かれてはいるのですが、やはりプロレス知識があるとないとでは受ける印象は大分違う気がします。

『人生の壁を破る50の反則』というタイトルにもあるように、この本は人生を生き抜くための「反則」が書かれています。ここで言う「反則」は、成功する為の知恵であり、逆境を乗り越えるためのヒントです。プロレス界でいかに自分をアピールしていったか、ステーキ屋での修行を１年間で終えたコツとは何か、飲食業界を襲ったBSEショックをどう切り抜けたか、等々が「反則」という逆転の発想で語られていきます。

飲食業ネタが結構多いので、独立開業を考えている方は参考にするのも悪くないと思います。ただし、記載内容はいろんな意味で”レスラーっぽい”表現になってますので、全部鵜呑みにするのは禁物です。一歩間違えるとヤケドしそうな「反則技」もありますからね。反則技の使用はあくまで自己責任でお願いします。

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レッド中尉（れっど・ちゅうい）
プロフィール：東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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