爆発的ヒット商品を生み出す職種とは

最近、商品やサービスづくりの現場で、ユーザビリティという言葉をしばしば耳にする。人間中心設計と訳されるこの開発思想、将来的には企業の競争力を直接左右する重要な概念に化ける可能性がある。今、エンジニアがユーザビリティに取り組む意義を探る。

これからの注目職種「ユーザビリティ・エンジニア」とは?
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人間中心設計推進機構
機構長 黒須正明氏
大学では実験心理学を専攻。卒業後は日立製作所でマン・マシン・インターフェース、人工知能の研究などに従事。その後デザイン研究所に移り、ユーザビリティについての研究を行う。近年は定量的アプローチからフィールドワーク、観察をベースとした定性的アプローチによるユーザビリティを模索している
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■ユーザビリティ=人間中心設計。「正解はなし」が難しい
Webサイト、ソフトウェア開発などのIT業界、また家電や自動車といった製造業界でソフトウェアに注目度を高めているキーワード、「ユーザビリティ」。既に商品企画や開発の現場で、ユーザビリティという言葉を耳にしたことのあるエンジニアも少なくないだろう。ユーザビリティとはユーザーの使い勝手の良さを重視する開発思想のことで、日本語では人間中心設計などと訳される。
「なーんだ、そんなことはいつも考えているよ」と思う向きも少なくないだろう。が、コトはそんなに簡単ではない。ユーザビリティ研究で知られる人間中心設計推進機構事務局(HCD)の黒須正明機構長は、
「ユーザビリティは本来、モノやサービスをつくるにあたって、考慮するのが当たり前のことです。が、そのユーザビリティについてはいまだ、確固たる定見が確立されていないのが現状。企業もユーザビリティは重要だと認識しているが、どう解決をすればよいのか模索しているところなのです。ユーザビリティ・エンジニアリングは、まさにこれからの分野なのです」
 と、ユーザビリティの重要性と難しさを語る。

■モノづくりのプロセス全体を把握してアプローチ
「例えばデジタルカメラですが、多機能と使いやすさの両立が大事というのはだれもが思っていますよね。でも、どうすればそれを実現できるかということになると、みんな考え込んでしまう。答えは幾通りでもあるわけですから。ユーザビリティは正解を求めるという理系的な考え方だけではダメ。問題発見と解決だけでなく、どう使って欲しいか、というコンセプト設計を行う力が要求されるんです」(黒須機構長)
ユーザビリティという概念が明確に問われ始めたのは1980年前後。当時はでき上がった商品をテストする改善型のアプローチを行っていた。テストでユーザーが不足と感じている部分を補う機能を提供したり、改善したりする技術的な解決を図っていたのである。今ではそれだけでは不十分で、設計プロセスから廃棄まで、商品のライフサイクル全体を把握してアプローチする必要があるという認識も広がっている。さらに、そこに最新の人間科学、心理学、行動学などの要素も加味する必要も出てきた。このようにカバーすべき範囲が急拡大していることから、ユーザビリティ専門のエンジニアを置く企業も増えてきている。
「モノづくりのプロセス全体にかかわるユーザビリティは、全エンジニアが注目すべきものだと思います。ユーザビリティ専門のコンサルタントも登場しています。とはいえまだ新たしい職種のため、人材マーケットではユーザビリティ・エンジニアが不足気味ですね」(黒須機構長)
ユーザビリティは、もっと多くのエンジニアに興味をもって取り組んで欲しい分野なのである。


「ユーザビリティ・エンジニア」というキャリアを考える
●ユーザビリティ・エンジニアのニーズが高まる業界は?
商品やサービスを提供する企業とユーザーのリレーションを強めるユーザビリティは、今やすべての業界にとってなくてはならない思想となっている。特にユーザビリティのニーズが高い業界としては携帯電話、PCやPDAなどのIT機器、AV家電、自動車、Web・ソフトウェア開発、医療や交通などの社会インフラなどが挙げられる。もちろんこれ以外の分野でも、ユーザビリティの需要はどんどん高まっている。ユーザーと作り手の接点であるユーザビリティの強化は、売れる製品やサービスをつくるのに必須となっていくと考えられているためだ。

●バックグラウンド技術があるからこそ、迅速にソリューションを提供できる
企業競争力の強化にあたってユーザビリティの必要性への認識が高まるにつれ、エンジニアのニーズも増加してきている。ユーザビリティはもともと心理学、行動学、人間科学などと関連した文系色の濃い概念と考えられてきた。が、ユーザビリティテストにみられる問題発見→解決というプロセスは元来エンジニアが得意とするもので、開発職の人材登用も目立ってきているという。
「エンジニアで有利なのは、技術を下敷きにしたソリューションをイメージする力をもっていることでしょう。問題を迅速に解決するのには大いに役立つはずです」(HCD・黒須機構長)
 ただ、ユーザビリティはひとつの正解を導き出すものではなく、常に創意工夫を要求される。その点、人間科学、心理学、行動学などの文系的知識も要求されるという。従って、人間の心理や行動に興味をもっている人がこの仕事には向いている。

●ユーザービリティエンジニアへの転進は開発責任者、経営陣へのキャリアステップ
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